やっぱり雨は降るんだね

小学生の頃

好き

初めは、友達としてだった

でも、段々と

恋愛として、好きなのかも

そう、思うようになった

僕は男

そんなの当たり前だし、嫌なわけではない

女の子になりたい訳じゃない

ただ、いふくんが好きなだけなんだ

誰もいない帰り道

僕は思い切って話しかけた

だめだ

そんなこと最初から分かってた

…でも、いふくんはそう言った

意外とあっさり付き合ってくれて、めっちゃびっくりしたけど

喜びのほうが大きかった

すごく、嬉しかった

夏休みのはじまり

付き合ってから、少したったころ

このころは優しかったお母さんは、僕に恋人ができるのをずっと楽しみにしていた

よく恋バナしてくれたし、聞いてくれた

楽しくて、ふたり暮らしでも寂しくなかった

だから言っても大丈夫だろう

その考えは甘かった

急に声色が変わった

まずいことを言ったのかな

でも、恋人できるの楽しみにしてたし…

何で？

頭の中は、疑問でいっぱいだった

戸惑いながら、僕は言った

こんなお母さんは見たことがなかった

とうしてなんだろう

お母さんはずっと、僕のことを応援して…

赤ちゃん？

いきなり、言われた

お母さんにこんなことを言われるのは初めてだ

ほのかとほざきは僕の姉と兄だった

二年前、二人で学校の屋上から飛び降り自○をして、なくなった

何の関係が…？

…見たことなかった

こんなお母さん、見たことなかった

目の前の人は誰だろうと、疑うほどだった

だからだ

二人とも、こんな家が嫌になって…

嫌だ

…でも

反論したら全部捨てられて、学校に行けなくなる

二度と会えなくなるんだ

なら

ごめんね、いふくん

翌日、僕は学校にいふくんを呼んだ

告白したこの場所で

別れるんだって思ったら…

だめだ、考えちゃ…

できるだけ泣かないように、強く喋る

あっさり言われて、泣きそうになった

断ってほしかった

拒否してほしかった

僕は、誰もいない校庭で、一人泣き続けた

そこには、変わってしまったお母さんがいた

お母さんは、違った

優しい人じゃ、なかったんだ

壊れていく

僕の大事なものが

消えていく