ゲームセンターに 入ると
大きいゲームの音と共に
キラキラとした ぬいぐるみの入った台が
私の視界に一気に 広がった
高崎 鈴
はゎー!!
角名
鈴めっちゃ 目キラキラしてる
治
来るの初めてなん?
高崎 鈴
え、うん
侑
ほな!俺が可愛いもん
取ってきてやる!
取ってきてやる!
そう言うと 侑が1人で どこかえ行ってしまった
治
ほな! 俺も妹のために
取ってきたる!!
取ってきたる!!
と、治も 同じように どこかえ行ってしまった
高崎 鈴
ぁ、妹じゃないけど
ありがとう…
ありがとう…
角名
…なんか双子めっちゃ元気だね
高崎 鈴
テストが終わったからでしょ
気分が少し上がり ふと、口元が緩む
角名
最近、鈴 笑顔だね
高崎 鈴
そう? まぁ…最近は
楽しい…よ
楽しい…よ
素直に自分の気持ちを言うのが 少し恥ずかしくて 照れくさい
恥ずかしい思いを 隠すように ニヒっと 笑う
パシャ
角名
ナイス 笑顔
スマホを構えた角名が ニコッと笑い
いつの間にか 写真を取られていた
高崎 鈴
ッ?!
高崎 鈴
しゃ、写真…!
角名
よく撮れてるよ
高崎 鈴
ッ!…もう…
高崎 鈴
わ、私も 何か取る
意地悪そうに笑う角名を 無視して
私と角名はゲーセンの 中を歩き回る
色々見て回っていると ふと、目に止まった
高崎 鈴
ぁ、これ…可愛い…
三本指のアームで掴む 台の中に
白くてフワフワしている うさぎのぬいぐるみだ
角名
やってみたら
角名
初めてなんでしょ
その言葉で私は コクリと、頷き
100円を入れる
位置を確認して アームを下ろすボタンを押す
アームは、強くうさぎを 掴み 上へと持ち上げる
高崎 鈴
上がった!
アームが上まで上がった時 その揺れで うさぎは ポロっと、落とされた
高崎 鈴
あー、こんなに難しいんだ…
すると角名が横から100円を 入れて、ボタンを押す
アームはうさぎを掴み 上へと持ち上がる
そのまま出口の方えアームが 動き、出口へとうさぎは落とされた
高崎 鈴
わ!!凄い!!
角名
鈴 下手すぎ
ははっと笑って うさぎを私に差し出す
高崎 鈴
え…
角名
鈴、欲しかったんでしょ
高崎 鈴
でも…
角名
鈴の為に取ったみたいなもんだし
高崎 鈴
ッ!!
その言葉に ドキッとして 少し震える手で うさぎを受け取った
うさぎを抱きしめ 私は、一気に熱くなった顔を
隠すように ぬいぐるみに うずめて、お礼を言った
高崎 鈴
ぁ、ありがとう…!
一方
双子の方はというと
侑
くっそー!!
侑
全然取れへんやん!
侑
なんやねん!これ!
治
下手くそやな
治
ちなみに俺は 飴ちゃん
取れたで
取れたで
侑
うっさいねん!