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4月。東京某駅。
無数の音が響き渡り、人々が足早に出入りする中
ど田舎生まれの19歳、俺、みことは、、、、、
みこと
ひたすら圧倒されていた。
みこと
みこと
見たことないもの、聞いたことない音、感じたことない人混みの熱気。 目新しいものが多すぎて、あっという間に五感が埋め尽くされる。
みこと
エリート企業に勤めてて、めっちゃ優しくて、何でもできるすちくん。 東京に来ただけだけど、そんな彼氏と肩を並べられた気がして、なんとなく嬉しい。
きょろきょろと周りを見回しながら、俺は駅前のベンチに座った。
みこと
時計を見て、はあとため息をつく。
待ち合わせの時間は11時。そして、現在の時刻は10時。 、、、、、、、、、、まだ、一時間ちょっともある。
いや本当は10時45分くらいに着く予定だった!!!うん、そうだった! 何回も時刻表確認したし、電車の乗り間違いだってないように細心の注意を払って、、、、、 、、、、たんだけど、、、、、
俺はがくりと肩を落として、リュックから小さいクマのぬいぐるみを取り出した。
優しいココア色で、胸にはちょこんと赤いリボンが付いている。 ーーーーすちくんが、一年前にくれたものだ。
すちくんと俺が出会ったのは、一年前だ。 俺が喫茶店でアルバイトをしていた時、偶然会社の出張ですちくんが店にやってきた。
そこからまあ、、、、、いや結構色々あって、最終的に付き合うことになった。 ーーーけどすちくんは、会社の都合で東京に帰らないと行けなくなった。
悲しくて、寂しくて泣いてた俺に、すちくがこれを渡して言ったのだ。
すち
みこと
すち
みこと
すち
みこと
すち
ーーーー二人で暮らそうよ。
みこと
「一緒に暮らそう。」 あの日、二人でそんな約束を交わした。 俺はその一年間ひたすら受験勉強に取り組み、見事志望大学に合格。 そしてついに今日、一年ぶりにすちくんに会える。
みこと
その時だった。
❓
誰かが、俺の肩にぽんと手を置いた。 いや、それが誰なのかはすぐに分かった。 ゆったりとした口調。低くて暖かくてーー
ーーーーずっと聞きたかった、声。
みこと
すち
癖のないサラサラの髪と、すっと整った顔立ち。 そこには、すちくんが立っていた。
みこと
か、噛んじゃったーーーー!!! しかも盛大に、、、、、!ヤバい、ヤバい、すちくんもきょとんとした顔でこっち見てるし、、、、、
すち
、、、、、ってめっちゃ笑ってる、、、、、、? 、、、、、いや、笑われてる!?
みこと
すち
みこと
すち
みこと
すち
すちくんが、ぎゅっと俺の手を握った。
みこと
すち
みこと
にこにこ笑ってこっちを見てくるすちくん。 話したいことはいっぱいあったはずなのに、なんだか恥ずかしくて、こそばゆい。
みこと
すち
みこと
ーーーーすちくんに会いたくて五本くらい早い電車に乗ったのは、俺だけの秘密だ。 俯きながら、俺はとりあえず手を握り返した。
これからの生活に、思いを馳せながら。