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HIT MEN 〜少し変な俺らの日常〜

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HIT MEN 〜少し変な俺らの日常〜

8 - 新たな敵【後編】

♥

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2024年06月30日

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渡辺

いっ…て……、

足の痛みがズキズキと増す。

佐久間

君はこっちねー。

ガチャン……

佐久間と名乗った男は、

ラウールの右腕に手錠をかけ、

もう片方を机の柱に繋げた。

佐久間

はい、おっけー。

ラウール

翔太さん……、、!

ラウール

早く…、止血しないと、!

佐久間

そんな焦んなくても大丈夫だよ、笑

佐久間

急所は外してあるから。

渡辺

何のためにこんな事……。

渡辺

殺すならさっさとやればいいだろ。

佐久間

まぁ俺もめんどくさいし、

佐久間

そうしたいんだけどさ。

佐久間

どうせなら利用させてもらおっかなって。

ラウール

利用……?

佐久間

ラウールくんのプログラム、

佐久間

破ろうとしたの俺ね。

佐久間

あれ、超苦戦した。

佐久間

あんな強力なプログラム、

佐久間

俺初めてだよ。

佐久間

君が作ったんでしょ?

ラウール

そう…ですけど、

佐久間

それなら、

佐久間

君に頼みたいことがあってさ。

ラウール

……なんですか、

佐久間

爆弾、作ってくんない?

ラウール

は、?

渡辺

爆弾……、?

ヘラヘラとしていた佐久間は、

唐突に笑顔を消して言った。

佐久間

殺したい奴がいんだよね。

佐久間

協力してよ。

ラウール

そんなことするわけ。

佐久間

どうして。

佐久間

これまで散々人殺してるでしょ。

佐久間

君たちも殺し屋なんだから。

渡辺

知ってたのかよ。

渡辺

俺たちの正体。

佐久間

そりゃあね。

渡辺

俺たちが殺してんのは、

渡辺

罪に問われてないクソ野郎だけだ。

渡辺

そうじゃない奴は殺さない。

佐久間

やっぱ元刑事は違うね。

佐久間

正義ヅラしてさ。

ラウール

どうせ死ぬんなら、

ラウール

あんたに従う義理はない。

佐久間

ふーん、笑

佐久間

そっかそっか。

佐久間は俺の方に向かってきて、

刺された方の足をグリグリと踏みつけた。

渡辺

……っあぁ…!

渡辺

ぅ…っ………、

足に激痛が走る。

ラウール

翔太さん!!!

佐久間

手伝ってくんないとこいつが痛い目見るよ?

佐久間

今度は1枚ずつ爪剥いでくから。

渡辺

気にすんな……

渡辺

俺は大丈夫だから……。

渡辺

絶対従うな、、。

あまりの痛みに気を失いそうだった。

ラウール

翔太さんしっかりしてください……!!

佐久間

どうする?

佐久間

相方の苦しむ姿、

佐久間

見たくないでしょ。

ラウール

……手伝います。

渡辺

……っ…おい、待てよ……。

ラウール

その代わり、

ラウール

翔太さんの止血をさせてください。

佐久間

仕方ないなぁ。

ラウールの手錠を外しながら言った。

佐久間

交渉成立だね。

 

渡辺

いっ……!

ラウール

……我慢してください。

俺は佐久間に聞こえないように囁いた。

渡辺

なんであいつに従った、

渡辺

あいつは只者じゃない。

渡辺

頼みを受けてもどうせ殺されるだろ。

ラウール

そんなこと分かってます。

ラウール

僕に任せてください。

ラウール

翔太さんには1つだけして欲しいことがあって。

渡辺

俺に?

佐久間

なぁにコソコソ話してんの?

佐久間

早くしてよー。

ラウールは去り際に俺に作戦を伝えて、

佐久間の方へ向かった。

 

俺の止血を終えたラウールは、

プログラミングに取り掛かった。

佐久間は俺とラウールを、

交互にチラチラと見張っていた。

隙を一切与えていないようだった。

30分ほど経った頃だろうか。

佐久間が口を開いた。

佐久間

てか、2人もマヌケだよね。

佐久間

俺1人に負けるとかさ。

佐久間

裏社会では、最強バディって噂だったのに、

佐久間

大したことないじゃん。

その瞬間、

ラウールは俺と目を合わせた。

作戦決行の合図だった。

渡辺

……は………だ…。

佐久間

え?何?

渡辺

……なのは………だよ。

佐久間

何?

佐久間

もっとハッキリ喋ってよ。

佐久間が俺に近づいたとき、

俺は大声で叫んだ。

渡辺

マヌケなのはお前だよバーカ!!

佐久間

……は、?

次の瞬間、

ラウールが隠し持っていたナイフを

佐久間の首に突きつけた。

佐久間

……!!

ラウール

動いたら殺す。

そのまま佐久間の銃を奪い取り、

佐久間の腹を蹴り飛ばした。

佐久間

うっ………、

佐久間は床に倒れ、うずくまっていた。

ラウール

翔太さん大丈夫ですか?

渡辺

あぁ。

佐久間

いつの…間に……

ラウール

あんた、自分の実力を過信しすぎ。

ラウール

1回勝てたら反撃なんてないと思ってるでしょ。

ラウール

甘いんだよね、考えが。

ラウール

それに普段は器用だけど、

ラウール

1つの事に集中すると周りが見えなくなるタイプ。

ラウール

翔太さんに気を取られて僕に負けるとか、

ラウール

あんたこそ1番のマヌケでしょ。

佐久間

っ………、

ラウールは俺の手錠を外した。

ラウール

…で、どうします?この人。

渡辺

……別にどうもしねぇよ。

ラウール

は?てっきり殺すと思ってたんですけど。

渡辺

依頼された訳でもねぇし、

渡辺

こんなんに労力を使いたくない。

渡辺

それにこいつなら分かってるはずだ。

渡辺

俺たちに負けたこと。

ラウール

はぁ……、分かりましたよ。

ラウール

…今度僕たちに何かしたら、

ラウール

その時は本気で殺すから。

佐久間

……言われなくても、

佐久間

もう2人に会うことはないね。

佐久間

俺の負けだよ。

そう言って佐久間は立ち去ろうとした。

渡辺

聞いてもいいか?

佐久間

……何、?

渡辺

誰から依頼された?

渡辺

それに、

渡辺

殺したい奴って誰なんだ?

佐久間

……俺にも守秘義務があるから。

佐久間

何処かでまた会ったら、

佐久間

その時に教えてあげるよ。

ガチャ……バタンッ……

ラウール

はぁ……、

ラウール

仕事してないのに疲れた。

渡辺

誰なんだろうな。

渡辺

俺たちを殺したい奴。

ラウール

誰なんでしょうね。

ラウール

ま、僕たちは負けませんから。

ラウール

大丈夫ですよ。

渡辺

なんだそれ。

渡辺

めちゃくちゃ俺の心配してたくせに、笑

ラウール

……うるさいなぁ。

ラウール

その傷、

ラウール

病院行ったら厄介なんで自力で治してくださいよ。

渡辺

はー、めんどくせ。

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