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成 海
成 海
伊 地 知
伊地知 潔高
御歳 21 歳
呪術師に向いてないと 同級生に言われ
補助監督へと 職を変えてから
約一年
伊 地 知
伊 地 知
助手席で偉そうに そう言う彼女の事を
見て見ぬフリしながら
震える手で ハンドルを握りつつ
成 海
カフェラテ色の サイドポニーに
高専の制服を着て
足を組んだその女性を ちらりと見る
伊 地 知
夢か現かと思い 目を擦りまた見ても
案の定 そこには彼女
成海千咲がいた
伊 地 知
伊 地 知
伊 地 知
成 海
伊 地 知
荒々しい口調で そう言う彼女と
それに 肩を震わせる私
一年前から 何も変わっていない
伊 地 知
成 海
成 海
伊 地 知
成 海
成 海
強気な口調や 私に対して容赦ない所
本当に 何も変わっていない
伊 地 知
伊 地 知
成 海
成 海
その姿に 頬を濡らしてしまった
話すとしたら そう
彼女の “ 生前 ” まで 遡る
六 年 前
伊 地 知
伊 地 知
それは 高専一年生だった時の話
篠 原
篠 原
伊 地 知
伊 地 知
新たな教室で
篠原くんと出会った
篠 原
篠 原
成 海
成 海
伊 地 知
そして 千咲さんとも出会った
篠 原
成 海
成 海
伊 地 知
千咲さんは 言葉に無頓着だった
成 海
伊 地 知
篠 原
成 海
篠 原
成 海
そんな彼女を 篠原くんが宥めてくれた
成 海
成 海
伊 地 知
篠 原
彼女が不貞腐れて
二人で笑って
私の青春は 全てそこにあったと思う
でも
伊 地 知
成 海
篠原くんが死んだ
弱気な私と 強気な千咲さんの
間を取り持ってくれる様な 優しい人だった
伊 地 知
死因は 上層部が特級案件に
彼を捨て駒として 派遣したのが原因らしい
伊 地 知
出会って半年
されど半年
彼の死は 私の心に大きく傷を付けた
成 海
千咲さんは 泣かなかった
成 海
成 海
伊 地 知
伊 地 知
篠原くんが死んで 一年が経ったくらい
千咲さんは 何でもないように過ごした
伊 地 知
成 海
成 海
伊 地 知
その間 色々あった
先輩が一人 死んだし
先輩が一人 呪詛師になった
伊 地 知
成 海
私も 何もないように過ごした
そんなある日
成 海
成 海
ふと そんな質問をされた
伊 地 知
伊 地 知
成 海
そう答えると 千咲さんは
少し悩んだ顔をして
成 海
成 海
目を伏せてそう言った
五 条
伊 地 知
その事を 二年上の先輩に話した
五 条
伊 地 知
返ってきたのは 思いもしない答えだった
伊 地 知
五 条
五 条
五 条
その人は それだけ言って去ってった
人の言葉に 流されるように
高専卒業後は 補助監督になった
そして一年前
私たちが 二十歳の時だった
成 海
成 海
伊 地 知
私は補助監督
彼女は呪術師として
共に現場に向かう事が 多くなった
成 海
成 海
伊 地 知
伊 地 知
成 海
私が運転していると
千咲さんは必ず 助手席に座った
成 海
伊 地 知
五条さん並の 無茶ぶりが
左隣から聞こえてくる
成 海
伊 地 知
成 海
中身のない会話をしつつ 時間を過ごす
伊 地 知
成 海
成 海
伊 地 知
適当な彼女の会話に 適当に相槌を打つ
成 海
伊 地 知
彼女がジトっと 私を睨む
それが日常
伊 地 知
成 海
成 海
伊 地 知
成 海
伊 地 知
帳が苦手な彼女のために
私が帳をはるまでが テンプレだった
伊 地 知
成 海
私に背を向けて 千咲さんが頷く
伊 地 知
伊 地 知
そう唱えた瞬間
私と彼女の間に 夜の幕ができる
成 海
不意に 彼女が振り返った
伊 地 知
そう尋ねた時には
闇を被って 彼女の顔が隠れていた
成 海
成 海
成 海
伊 地 知
喉から声が出るより先に
闇が彼女を覆った
そして 彼女は帰らぬ人となった
特級案件だったらしい
準一級の彼女にとっては ありえない任務と
五条さんが言っていた
伊 地 知
きっと いつかの篠原くんの様に
上層部の捨て駒に されたんだろう
五 条
その日は五条さんからの 無茶ぶりはなかった
伊 地 知
かつての彼女も こうだったのかと
形式的に行われた葬式に 涙は流れなかった
成海千咲は死んでいる
それは衆目の事実
それなのに
成 海
成 海
成 海
伊 地 知
彼女はまた 助手席に座っている
成 海
成 海
成 海
伊 地 知
ああ まずい
また涙が込み上げてくる
成 海
成 海
伊 地 知
もうすっかり大人になった
そう思っていたのに
伊 地 知
伊 地 知
成 海
貴女の葬式で 出なかった涙が
今更戻ってきたみたいだ
伊 地 知
成 海
伊 地 知
成 海
助手席の地縛霊は そう言って笑った
成 海
今にも消えそうな 淡い声で
伊 地 知
伊 地 知
運転中なのに 前が見えない私に
成 海
ただただ 優しい声で
成 海
成 海
成 海
一年前と 同じ質問をしてきた
伊 地 知
伊 地 知
伊 地 知
それに私は
一年前と 同じように答えた
成 海
成 海
高速道路から見える ビル群の明かりに
照らされた彼女の横顔は
息も止まる程 綺麗だった
成 海
成 海
一年経った今でも
鮮明に覚えているのに
伊 地 知
この熱が冷めるのは いつになるのか
伊 地 知
わからない
けど
これは言える
伊 地 知
伊 地 知
成 海
成 海
助手席に
柔らかな微熱を遺して
瞬きの合間に 千咲さんは消えた
そして五年後
車窓をこんこんと叩き
虎 杖
伊 地 知
伊 地 知
虎 杖
高専一年の 虎杖悠仁くんが
そこに立っていた
伊 地 知
虎 杖
虎 杖
伊 地 知
どうぞ、と
ドアを開けようとして 一瞬止まった
虎 杖
虎 杖
開けるとしたら 手前のドア
助手席の方の扉だ
伊 地 知
五年前から助手席には
誰も乗せていない
虎 杖
バツの悪そうな 虎杖くんの声も聞こえず
助手席を眺めてしまう
伊 地 知
伊 地 知
伊 地 知
伊 地 知
そういうと 虎杖くんは
ぱっと 花が咲くように笑った
虎 杖
そう言って 車に乗り込む彼
伊 地 知
虎杖くんの笑顔と
千咲さんが
重なったような気がした
助 手 席 に い る 地 縛 霊
伊 地 知 潔 高 I j i c h i K i y o t a k a
×
成 海 千 咲 N a r u m i C h i s a k i
f i n
T h a n k s f o r r e a d i n g
コメント
21件
風邪どころか凍死するわ
と り あ え ず 風 邪 薬 ち ょ う だ い 私 は そ ら い ろ と そ ら り が 同 一 人 物 っ て 認 め て な い か ら ‼️
うおおおおおおお優しいいいぃ……😭😭 どんなキャラクターでも夢小説書けるそらりちゃんが凄すぎるよ……誰が書いたか一発でわかる程の個性がある!!!! とりあえずもうしみじみとなりましたありがとうございました!!!!