透明な恋心

小田さんはいつも本ばかり読んでる

その本の内容は詳しくは教えてくれないけど、いつも笑顔で物語に のめり込んでる。

そんな文学少女が、なぜか 最近よく話しかけて来てくれるようになったけど、こんな風に呼び出しされるのは初めてだ。

コイツは隣の席の女子。 いつも小田さんの傍にいるから、 俺ら男子が小田さんに話しかけたくても話しかけずらい原因

こいつらホント苦手。 テンションが分からん。 なんで小田さんこんなヤツらと…

四時間目

ふと小田さんの方を見る。

女子はバドミントンをしている。

泣きそうになりながらも小田さんの方を見た

小田さんは笑っていると言うよりも、不気味な笑みを浮かべていた。

昼休み

陸は廊下に飛び出した

早歩きで廊下を渡りながら、 陸は色んなことを考えた

高校二年、初日

学校に到着し、悠斗と合流した

悠斗は席順表を見せてきた

なんと俺の隣は小田さん、 俺の後ろは悠斗

小田さんは隣の席に既に座っていた 両手で顔を抑えて、頭でも痛いのだろうか。

悠斗が後ろの席から、俺の頭をガシガシと撫でてくる。

小田さんは机に伏せてしまった。

その日の放課後

夢みたいだ、まさか話しかけられるなんて。 二年になって突然？？なぜ？？

去年と違うことなんて、同中のたかもりと桜と悠斗が同じクラスってことくらい…？

部室に向かう足取りが、 より一層早くなる

小さく呟いたのと同時に、俺の足は止まった。

深呼吸を終えて、扉を開く

小田さんは潤んだ瞳で口を開く

俺の心臓が大きく高鳴った

小田さんは部室を出て どこかへ行ってしまったようだ

しばらく経って、部室の扉が開いた

ｷﾞｨｨｨｨｨｨｲｲｲｲ ｶﾞﾁｬﾝｯ

陸と悠斗は扉に手をかけ、思い切り引いた だが開かない。 外側から鍵が閉められたようだ。

…

外からは何の応答もない

蒸し暑い部室のせいか、 俺の体温は高くなるばかりだった