テラーノベル
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チャイムが鳴る直前、私は教科書を落とした。
ばさっと音を立てて、床に散らばるプリント。
のあ
声を出すより早く、彼が立ち上がっていた。
うり
そう言って、しゃがんで拾い始める。
周りにも人はいるのに、迷いなく。
のあ
うり
短い返事。
プリントを揃えて、教科書を重ねて、最後に一枚、私の前に差し出す。
うり
…自然すぎる。
まるで、ずっとそうしてきたみたいに。
友達が小声で言った。
えと
私は答えられなかった。
だって、私にも分からない。
昼休み。
購買で買ったパンを開けようとして、袋が破れなくて困ってたら。
うり
彼が、当たり前みたいに受け取って、端を切って返してくる。
うり
のあ
うり
そう言って、私の机の端に置く。
近い。
近すぎる。
えと
友達がニヤニヤしながら言う。
えと
のあ
即答してしまって、逆に怪しい。
彼は、少し離れた席でそのやり取りを見て、何も言わずに視線を逸した。
のあ
のあ
放課後。
廊下が混んでいて、人にぶつかりそうになった瞬間。
うり
今度は、肩を引き寄せられた。
ほんの一瞬。
でも、ちゃんと支えられてる感触。
のあ
うり
それだけ。
でも、手はすぐに離れなかった。
周りの視線に気づいて、慌てて離す。
うり
彼も、今さら気づいたみたいな顔をする。
うり
何か言いかけて、やめた。
代わりに、
うり
それだけ。
心配の仕方が、完全に彼氏。
私は、胸の奥がいっぱいになって、何も言えなかった。
のあ
告白も、約束もない。
でも。
拾ってくれて、 守ってくれて、 当たり前みたいに隣にいる。
それってもう⸺
考える前に、彼が言った。
うり
疑問形じゃない。
私は小さく、
のあ
って答えた。
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