澪
あ!いた!!
空
……。
澪
そら…?どうしたの?
空
おお!澪!わりいわりい!
空
ちょっと病院を探検してたんだ!
澪
もう、それなら言ってよ
澪
診察は終わったしもう帰るよ!
空
お、おう!
???
ちょっと待ちな
空
???
空は振り返った
澪
んー?どうしたのー?
???
俺は風(ふう)だ。お前と同じ健康の神だ。
空
なんで俺が健康の神って
風
さっきお前があのじいちゃんに憑いてる神と喧嘩してるの聞いてな
澪
ねぇ、何1人で話してるの?
空
神だよ。
澪
へぇぇぇ、やっぱり私、空以外の神は見えないんだ
風
しかし驚いた。この子、お前の姿が見えるんだな
空
そうなんだ。俺も最初はすげぇ驚いたよ
風
神のことが見える人間はごく稀に存在すると聞いたことがあるが、ホントにいるとはな
風
お前は天(あま)のところに行くべきだ。
風
五大神の1人。天(あま)。
風
五大神の中でも健康の神様だ。
空
五大神??
風
あぁ。話すと長くなる。場所を変えよう。この子も待たせたら悪いしな。
澪には先に家に帰ってもらい、近くの神社で詳しく話を聞くことにした。
空
それで五大神ってなんなんだ。
風
まぁ簡単にいえば、強い力を持つ神だ。
日本にはそんな神が5人いる。この5人の神は人間界での寿命が100年ある。その5人は健康、縁結び、金運、厄除け、そして疫病神がいる。
日本にはそんな神が5人いる。この5人の神は人間界での寿命が100年ある。その5人は健康、縁結び、金運、厄除け、そして疫病神がいる。
空
疫病神…?
???
あぁ、強い力で人に悪事をもたらす神だ。残念ながら、そんな神は少なくない。神の力を利用して人に不幸をもたらす連中がいる。その中でもこいつはレベルが違う。平気で人を死に追いやるやつだ。
空
なんてやつだ…。
風
まぁこいつは置いといてお前が会うべき神はさっき言った、五大神の1人、天。
風
もしかしたら、あの女の病気を治す方法を知っているかもしれない。
空
ほんとか!?
風
正直、確証はない。だが、確実にこの世で1番健康において力がある神だ。
空
風はなんでそんなに知ってるんだ?
風
俺も天を探していたからな。
空
会ったことないのかよ
風
あぁ。会えなかった。
空
なんでだ?
風
おそらく五大神は誰にも憑いていない。そしてあまりこのような街に出てくることも無くどこかでこの世界を見守っている。
風
俺は色んな神書を調べたり、他の神に尋ねたりした。だが、手がかりは掴めなかった。
空
そんな…。なら俺も見つけることはできないんじゃないか?
風
いや、これは俺が人に憑いていた頃の話だ。
空
え?人に憑いてないのか?
風
あぁ。俺が憑いた人間は2ヶ月前に死んだ。まだ8歳の男の子だった。余命は2年と宣告されていた。
空
……。
風
俺は彼の病気を治すために天を探していた。しかし、まだ余命を宣告されてから1年の頃、様態は急変しそのまま帰らぬ人となった…。
風
しかし、彼が亡くなってから俺は衝撃的なことを小耳に挟んだんだ。
風
五大神"天"は神ノ丘神社にいると…。
空
神ノ丘神社って確か東京にある、大きな!
風
そうだ。さすがにそんな所にいるとは思わなかった。まぁ噂に聞いただけだから本当かはわからない。でも行ってみる価値はある。
風
そして俺はちょうど去年の今日に、あの少年に御守りを買ってもらった。
空
ってことは…
風
そう。人間界で生きることができるのは今日で終わりだ。彼を救うことができなかったしこの世界には未練しかないが、お前に託すぜ。
風
お前は昔の俺にそっくりだ。絶対にあの女の子救ってやれ
空
あぁ。ありがとう
空
絶対に治してみせるよ。
風
約束な
こうして2人は約束を交わし、空は彼女の病気を治す大きな一歩を歩みだしたのである。