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シャガルの本気ホラーすごいボリューミーで内容濃かったよ!! 「なにか」のせいで一家が狂っていく恐怖に戦慄した……
これは私が体験した話
私は大塚姫華(おおつか きっか) 今日から夏休み!
母
姫華
母
姫華
父
姫華
姫華
プルルルルル
母
姫華
姫華
???
電話から聞こえた声は知らない女性の声だった。
姫華
???
姫華
???
そう女性が言うと電話は切れてしまった
姫華
母
姫華
母
姫華
私はなにか嫌な感じがしたがあまり気にかけることはなかった。 しかし、後にあの女性の言うことを聞いていればよかったと後悔する事になってしまった...
その日の夜
母
姫華
母
父
姫華
母
姫華
姫華
ピンポーン
姫華
母
キイイイイイイイイ!!
姫華
母
父
父はいつもの調子でおどけていたが私たちの顔を見てなにかが起きたと察したようだった。
父
姫華
母
姫華
私は朝の電話を思い出して嫌な予感がした。
姫華
もう遅かった。
母
ガタン!!
外から大きな音がした。
姫華
父
向かってみると母が倒れていた。
母
母
母は何故か笑っていた。
姫華
父
母
姫華
そこにいる母は確かに母なのだが、あまりにも様子がおかしかった。
プルルルルル
父
姫華
姫華
???
朝の女性の声だ。
姫華
???
姫華
???
姫華
ガチャ
姫華
父
姫華
父
父は深く考え込んでる様子だった。
父
姫華
その時の父は焦っていた。
和尚
父
父
姫華
思っていたより若い人が出てきて私はびっくりした
和尚
姫華
和尚
和尚さんは母を見てそう言った。
父
父
和尚
父
和尚
父
姫華
和尚
私たちは小さな部屋に案内された
姫華
しかし、誰も答えてはくれなかった。
和尚
父
笑っている母の顔に和尚さんはぎっしりと「行」という漢字を書いていた。
和尚
和尚
和尚さんの言葉が重くのしかかる。
和尚
和尚さんは母を木でできた樽(のようなもの)の中に入れるよう言った。
その中には液体が入っていた。
チャプン
和尚
和尚さんがお経?(上手く聞き取れなかったがお経のように聞こえた)を読み始めた。
その時、周りが真っ暗になった。
姫華
???
耳元で誰か...男の人の声が聞こえた。
姫華
???
男の声はそう言うと聞こえなくなった。
キイイイイイイイイ
姫華
姫華
それは地の底から這い上がって来るように、どんどん近づいてくる。
姫華
私は咄嗟に目を瞑ってしまった。
キイイイイイイイイ
その声はどんどん近づいてくる。
ドンドン!!
襖が激しく叩かれる音がした。
姫華
ふと、目を開けると私の目の前では「なにか」が樽の底を砕いていた。
姫華
その「なにか」は和尚さんや父には見えていないようだった。 しかし、確実に母が入っているはずの樽を破壊していく。
キイイイイイイイイ
姫華
あの声が聞こえた。 それは「なにか」が発していた。
目の前の「なにか」が母をおかしくしたものの正体だった。
キイイイイイイイイ
姫華
今度は違うところから声が聞こえた。
まるでその「なにか」と共鳴するように。
姫華
姫華
何体も...何体も何体も何体も「なにか」は存在しているようだった。
ドン
襖がまた揺れた。さっきより強く...そして大きく...
ガタガタガタガタガタガタ
バシャッ
姫華
母
姫華
母が樽から出た。
そして襖をバッと開けてしまった。
母の中に大量の「なにか」が入っていくように見えた。
その瞬間、襖を揺さぶり、叩く音が無くなった。
母はどこかに消えてしまい、隣にいたはずの父の姿も無くなっていた。
姫華
和尚
和尚さんが意味深な事を呟く。
姫華
和尚さんは壊れているはずの樽を指さした。
姫華
私が壊されたと思っていた樽は別に壊されている訳ではなかった...しかし...樽の中にはドロドロに溶けた物体が浮いていた。
私は...それが父なのだと悟った。
姫華
私は...言葉も涙も出なかった。
衝撃的すぎた。
和尚
和尚
姫華
和尚
和尚
姫華
和尚
母
確かに母はいた。母はいたのだ。 だが...母は...
母
姫華
私は気づくと母の首を締めていた。
母は...笑っていた... 声は出ていない。苦しそうに涙を流しながら...確かに笑っていた...
姫華
和尚
姫華
和尚
母
母
姫華
和尚
姫華
私は一言そうとだけ言うと和尚さんに案内された部屋へ向かった。
姫華
思わず涙が溢れた。
姫華
父があんなことになっているのに私は何も言えなかった...何も感じなかった...何も...何も......
姫華
私は深い眠りについた。
そして十数年経ったのが今。
結局母も死んでしまった。
あの時、母の首を締めてしまった感覚...その時の母の顔と笑おうとしている喉の震えがずっと手に残っている。
ドロドロに溶けた父が今もずっとこちらを見ている。
そしてあの「なにか」の声が今も聞こえているような感覚。
結局電話から聞こえた女性の声の正体も...儀式の前に聞こえた男の声の正体も...ましてや「なにか」の正体すらも分からなかった...
だが...正体はもうどうでもいい...だって...私はもう....
姫華
そして...ひとつの「いのち」がまた消えていった...
主
主
主
主
主
主
主
主