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雪の降る夜

少女

マ…入りませんか…

少女

マ…は入りませんか…

通りすがりの男性

(ん?あれはなんだ)

通りすがりの男性

(今どきマッチ売りの少女か?)

通りすがりの男性

(可哀想だし、ちょっと行ってみるか)

通りすがりの男性

おい、大丈夫か?

マスク売りの少女

お買い上げありがとうございまーす!!

通りすがりの男性

(は?こいつヤバいやつじゃんか)

通りすがりの男性

(なんか勝手に買ったことにされてるんだけど…)

通りすがりの男性

いやいやいや!俺買わないから

マスク売りの少女

嘘でしょ!?

通りすがりの男性

そもそも買うなんて言ってないし

マスク売りの少女

えー

通りすがりの男性

ってか、マッチ売りじゃなくてマスク売りかよ!!

マスク売りの少女

あのね〜今どきマッチなんて売れないの

マスク売りの少女

そんなのマスク売りの基本よ?

マスク売りの少女

あなたマスク売りしたことないのね

通りすがりの男性

ないよ!俺無職だし

マスク売りの少女

じゃあ買ってくれる?

通りすがりの男性

なんでだよ!どうしたらそうなる

マスク売りの少女

おじさん今なら安くしとくから、お得だよ、買わなきゃ損だよ、

通りすがりの男性

意外と商売上手だな…

通りすがりの男性

でもマスクは外した方がいいと思うけど…

マスク売りの少女

こんな寒い中マスクしないで外にいたら風邪ひくよ!?

マスク売りの少女

私、死ぬよ!?

通りすがりの男性

いや〜確かにそうかもしれないけど、

通りすがりの男性

マスクしてるから声が聞き取りにくいんだよ

マスク売りの少女

あー、だから客が来ないのね

通りすがりの男性

ってか、今どきマスク売っても売れないと思うが…

マスク売りの少女

え?なんで?

通りすがりの男性

だって、皆マスク大量に買い止めしてるじゃんか

マスク売りの少女

そうなの?

マスク売りの少女

でもおじさん、マスクしてないから、どうせ買い止めしないタイプでしょ

通りすがりの男性

ま、まぁそうだけど、

通りすがりの男性

ニュース見ないのか?

マスク売りの少女

うん、私の家テレビ無いんだ…

通りすがりの男性

(そうか…この子は貧乏なのか…)

通りすがりの男性

(だから…こんな寒い日でもマスクを売り続けているのか…)

通りすがりの男性

(なんかめっちゃ可哀想に見えてきた…)

通りすがりの男性

(マスク、1枚ぐらい買ってあげるか)

通りすがりの男性

はい、

マスク売りの少女

通りすがりの男性

マスク…買うよ

マスク売りの少女

え!?本当?

通りすがりの男性

あぁ、

通りすがりの男性

(童話のマッチ売りの少女も辛かったんだろうな…)

通りすがりの男性

(童話では最後主人公が死んじまうけど、)

通りすがりの男性

(まさか、この子もそうなったり…しないよな?)

マスク売りの少女

喋りすぎてマスクに唾がついちゃった

マスク売りの少女

気持ち悪いから新しいのっと…

通りすがりの男性

(なんか、マッチ売りの少女と似てるな…)

マスク売りの少女

おじさんちょっと待っててね

通りすがりの男性

おい、マッチ売りの少女って知ってるか?

マスク売りの少女

うん、知ってるよ

ある日、雪の降る夜 マッチを売っているマッチ売りの少女がいました

その少女は貧乏でマッチを売っていました

けれど、マッチは売れません

少女は寒くなってマッチを1本つけました

そうすると…マッチの火に豪華な料理が浮かび上がりました

そして、もう1本つけると、なんと!少女のおばあさんが浮かび上がり、天へと連れていきました

そして、少女は雪降る夜、天国へと連れてかれ、死んでしまいました

マスク売りの少女

ざっと こんな話でしょ?

通りすがりの男性

ああ…最後がなんというか、可哀想だなって

マスク売りの少女

おじさん…私のこと心配してくれてるの?

通りすがりの男性

な!そんな訳ないだろ

マスク売りの少女

へぇー、おじさんも案外優しいとこあんだね

通りすがりの男性

(なんか俺…優しいって言われたの久しぶりだな…)

通りすがりの男性

(今までずっと無職で引きこもって人の役にも立ってなかったから…)

通りすがりの男性

(誰かに喜ばれることって…なんか嬉しいな)

マスク売りの少女

でも心配しなくていいよ

マスク売りの少女

私今、演技の練習してるの

通りすがりの男性

は?

マスク売りの少女

小さい頃から子役に憧れてたんだ

通りすがりの男性

え、ちょっと待って?話が追いつけないんだが…

マスク売りの少女

えっーとね私、子役のオーディションに参加したくてお母さんに頼んだら

マスク売りの少女

「マスク売りをして、マスクを5箱売り切れたらいいよ」って条件を出してくれて…

通りすがりの男性

ご、5箱!?

マスク売りの少女

だから童話のマッチ売りの少女みたいに貧乏を演じてくれたら誰か買ってくれるかな〜って思って

通りすがりの男性

なんか、大変だな…

マスク売りの少女

まぁどうせ、お母さんがマスク買い止めしすぎたんだろうね

通りすがりの男性

そういうことだったのか…

マスク売りの少女

うん、だから家に帰ったら食べ放題!テレビ見放題!

通りすがりの男性

めっちゃ有意義だな

マスク売りの少女

と!いうことで

マスク売りの少女

マスク5箱お買い上げありがとうございまーす!!

通りすがりの男性

だからー!5箱も買わないって──

そんな出来事から はや1年

俺は、あの少女と出会ってから働くことを決意した

今では立派な、会社の課長だ

通りすがりの男性

ここまで変われたのも あいつのお陰だなー

通りすがりの男性

今どうしてんのかな…

通りすがりの男性

また…会えたらいいな

通りすがりの男性

今頃 有名な子役になってたり?笑

そう思いながら俺は仕事場であるマスク工場へと向かう

あいつが子役になったのは後の話で知ることになる

通りすがりの男性

やっぱ、マスクっていいな

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コメント

3

ユーザー

初コメ失礼します。フォローありがとうございます!ストーリー作るのとかサムネの編集上手いですね応援してますꉂꉂ📢📣🎺🎺🎌🔥

ユーザー
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