『 』
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そう笑顔で言ってくれた時、はっきり自覚した。 私はこの人が好きなんだと。
人生で初めて、異性を好きになった。
『 』
授業中、ちらちらあの人の方を見てしまう。
『 』
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ふと、目が合ってしまう。
『 』
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その時の微笑みもまた、忘れられない。
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『 』
君は誰にでも好かれる人気者。
『 』
『 』
『 』
友達に冷やかされて。 それでも視線は君に向いてしまう。
『 』
一人で帰る時、傘を忘れてしまって。
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『 』
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『 』
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『 』
傘を渡して、大雨の中颯爽と走っていった。 優しすぎて。
『 』! 明るい声でそう呼んでくれた。 その声も、
可愛げのある、顔も、
皆の人気者で、愛されているほどの性格の良さも。
全部全部大好きだった。 君がいてくれたから、この学校に来れた。 だから。
だからこそ…
『 』
そう言われた時は、頭が真っ白になった。
『 』
衝撃が大きすぎた。 彼は持病があったの? 何の病気で苦しんでたの? どうして? ずっとその気持ちで苦しかった。
『 』
『 』
『 』
渡されたのは、一枚の封筒。
『 』
ベッドに座って、その封筒の中身を取り出した。
…それは、手紙だった。
悲しい思いをさせてごめんね。 俺は生まれつき心臓が悪かったんだ。
いつも俺と仲良くしてくれて、 たくさん笑ってくれて、 ありがとう。
すごく真面目で、 決まり事はきちんと守ってる。 でも、たくさん頑張ってる。 しっかり俺は見てたよ。 大変だったよね。
俺はいなくなっちゃうけど、いつだってそばにいるよ。 だから悲しまないでね! じゃあね!
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『 』
私は気付けば、大粒の涙を流していた。
辛かっただろうし、苦しかっただろう。 それでも一生懸命書いてくれた。
『 』
布団に顔を埋めて泣いた。 めちゃくちゃ泣きまくった。
『 』
『 』
少しずつでも良いから、再起してみよう。 そう思えた。それに…
『 』
『 』
今は、元気に生きている。 友達と一緒にどこか行ったり、楽しい生活を送っている。
勿論__は忘れてない。 たまに思い出して、泣いてしまう事もある。
でも。 確かにこれだけは分かる。
悲しくて苦しくても、 それでも大切な初恋だったと。
【完】