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羽根ペンを拾った私は、なにかの メッセージかもしれないと思い、家に帰った。

うーん

母さんが筆まめだった記憶はない。

でも母さんの部屋に入ると、 すぐに母さんの机に目がいった。

そこにはひと瓶のインクがあった。

母さん、何か書いてたのかな…

近くを探したけど、書きかけの紙 みたいなものはどこにもなかった。

どうしてインク瓶なんて…?

うーん…

何となく瓶を開けてみる。

カラリと大きめの音がした。 1度も開けてなかったみたい。

ふわりとインクの香りが鼻をついた。

なんだか不思議な香り…

香りにつられるように羽根ペンを インクに浸した。

その時だった。

周りの空気がどるりと歪んだ。

な、なにこれ!?

インクの香りが強く、強くなり、 目の前は真っ白になった。

真っ白。

そんな空間にいる私の前に現れたのは1枚の原稿用紙。

これは、母さんの字?

澪へ これを読んでいるということは、過去に戻れる羽根ペンを使ったようね。

タイトルと、 その一文が書かれていた。

過去に戻れる…?

そう思った時、目の前は今度は 真っ黒になった。

シメキリ(全12話)

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