羽根ペンを拾った私は、なにかの メッセージかもしれないと思い、家に帰った。
澪
母さんが筆まめだった記憶はない。
でも母さんの部屋に入ると、 すぐに母さんの机に目がいった。
そこにはひと瓶のインクがあった。
澪
近くを探したけど、書きかけの紙 みたいなものはどこにもなかった。
澪
澪
何となく瓶を開けてみる。
カラリと大きめの音がした。 1度も開けてなかったみたい。
ふわりとインクの香りが鼻をついた。
澪
香りにつられるように羽根ペンを インクに浸した。
その時だった。
周りの空気がどるりと歪んだ。
澪
インクの香りが強く、強くなり、 目の前は真っ白になった。
真っ白。
そんな空間にいる私の前に現れたのは1枚の原稿用紙。
澪
澪へ これを読んでいるということは、過去に戻れる羽根ペンを使ったようね。
タイトルと、 その一文が書かれていた。
澪
そう思った時、目の前は今度は 真っ黒になった。
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