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それから数日。
文化祭の準備は続いているのに、
のあとうりが一緒に帰ることはなかった。
うり
うり
そんな言葉が増えて、
気づけば"いつもの帰り道"は消えていた。
……おかしいな
のあは教室で1人、窓の外を眺める。
夕焼けの色は、前と変わらないのに。
もふ
振り向くと、もふが手を振っていた。
もふ
のあ
言いかけて、言葉が止まる。
"誰かを待ってる"なんて、言えなかった。
帰り道。
1人で歩くその道は、やけに長く感じた。
前は、こんなじゃなかったのに
信号の前。
横に並ぶはずの影は、ひとつだけ。
歩幅も、会話も、沈黙も、
全部、当たり前だと思っていた。
家に着くと、のあはベッドに座り込む。
のあ
声に出た瞬間、
胸がぎゅっと締め付けられた。
のあ
今まで、うりが隣にいるのが当たり前 だと思っていた。
だって、"幼なじみ"だから。
ずっと一緒だったから。
でもーーー、
居なくなった途端、こんなに落ち着かない
翌日
文化祭の準備の途中、
脚立を運んでいたのあは、思わずよろけた
のあ
支えようとした手が伸びる。
でも、その前に声が聞こえた。
うり
うりだった。
間に合わなかった。
軽く尻もちをついてしまう。
うり
うりが駆け寄ってくる。
表情は、隠しきれないほど焦っていた。
のあ
手を差し出されて、迷わず掴んでしまう。
その瞬間、はっきりと、胸の奥が跳ねた。
…あ
立ち上がったあとも、 手の温もりが残っている。
うり
のあ
思わず聞いてしまった。
うりは一瞬黙って、視線を逸らす。
うり
その言葉に、胸がじんわり熱くなる。
"当たり前"じゃないよ…
前みたいに笑えなくたって、 一緒に帰れなくたって、
それでも、触れた瞬間に安心してしまう。
その日の夜
のあは布団の中で目を閉じた。
私…
幼なじみだから寂しいんじゃない。
隣にいないと落ち着かないのは、
"当たり前"じゃないから。
のあ
小さく呟いたその言葉は、
胸の奥にすとんと落ちた。
まだ、どうしていいか分からない。
でも一つだけはっきりしたことはある。
うりが隣にいない日々は、 もう"普通"じゃないってことを。
コメント
2件
にやけが止まらんのだが…🙃 物語かくのうますぎてヤバい😖