痛い痛い痛い痛い痛い
あの後、巳波と虎於は俺やトウマの家とは反対なので別れて家に帰ることになった。
九条天と別れる前も別れた後も、じくじくと右頬が痛む。
左は右よりかは侵食されていなかったらしく、まだ冷たいものが沁みる程度だ。
薬は時間的にまだ飲めないしトウマが乗ってる車で薬を飲んだら絶対に心配される。
マスクで覆われているが頬も腫れているかもしれない。
なんで俺がこんな…
トウマ
る、はる、ハル、
悠
んんっ!!なっ、何?
トウマ
いや、なんか眉間にしわ寄せて凄い顔してたから…
悠
はぁ?俺だって考え事くらいするし…
トウマ
意外だな…
悠
失礼
トウマ
でも悩みならなんでも聞くぜ?最近ハル調子悪いし
なんでコイツはこうも察しがいいんだ。
悠
別になんでもない。話すことでもない。
トウマ
あー…そ?
いや、ホントはもう泣きたい。
つかちょっとでも気を抜いたら泣いてしまう程の痛みだ。
痛い…
家の前にタクシーが着き、車から降りた瞬間に、涙が溢れた。