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508
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かるびし
かるびし
かるびし
かるびし
かるびし
かるびし
かるびし
かるびし
かるびし
かるびし
あまみ
宮 侑
“やっとこじつけたデートでからかう余裕とか俺ないし”
あまみ
あまみ
あまみ
宮 侑
あまみ
然のような顔でそういう彼になんて返したらいいか分からない。今まで考えたこともないデートの定義を頭の中で思い浮かべていると、
宮 侑
宮 侑
そんな声が降ってきて、心臓がばくんと鳴った。
だめだ、真に受けちゃだめ。そう思うのに、顔も体も言うことを聞いてくれない。
あまみ
宮 侑
そんな事を、こんな顔した私に聞いてくるところが本当に性格が悪いと思う。
宮 侑
伸びてきた手が私の頬に触れて、それがゆっくり首まで下がると、『ほんでめっちゃあついし、』と笑いの交じった声が落ちてくる。
それにもっと恥ずかしくなって、そこから退かすように彼の手を掴んだ。
のに、私よりも一回り大きい手に勝てる訳もなく何故か包み込まれるように手を握られてしまった。
あまみ
抵抗しないといけない、そう思うのに私の手はそれも出来ない。
“だって私の何をどうしても、この人に勝てる気がしないから。”
宮 侑
私のなに、に対する返事なのか、そう話し出した宮さんに視線を向けた。
あまみ
宮 侑
あまみ
宮 侑
いつかの私の言葉を借りた彼に返す言葉もなく黙り込む。
宮 侑
あまみ
宮 侑
宮 侑
宮 侑
あまみ
宮 侑
そう言いながらグラスに口をつけた宮さんに、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
真面目な顔したりいつもみたいにふざけてみたり…、そんな彼のせいで私の頭のキャパはとっくにオーバーしてる。
宮 侑
宮 侑
とどめを刺すようにこちらを見てそう言った宮さんに、ぎゅっと心臓が痛い。
あまみ
宮 侑
宮 侑
そう笑う宮さんの横顔はすごく綺麗で、つい目を逸らした。
仕事だから、なんて最もらしいことをつけて言ったのは、もうとっくに意識していることも、周りの選手たちと同じように思っていないことも誤魔化すためなのを、彼はきっと分かって る。
でもそれを好きだとしてしまうには、あまりにも単純で浅はかな気がして言葉にはできなかった。そんな私のことさえ、きっとこの人は分かってる。
宮 侑
グラスもお皿も、ほとんど空になったテーブルの上を見て宮さんがそう零した。時間もちょうどよくて、普通ならお会計のタイミングだ、いつもならそうすると思う。
でも、このまま別れるのは嫌で、離れていきそうな手を離したくなくて、咄嗟に彼の指をぎゅっとにぎった。
あまみ
素直に一緒にいたいと言うには私たちの関係は追いついてない。 でもわがままな私はこのまま帰るなんて考えられなくて…。
絞り出したような私の言葉を聞いて、驚いたように目を丸くした宮さんは、顔を逸らしてすぐにメニューに手を伸ばした。
宮 侑
あまみ
あまみ
そんな後悔はメニューを開いたあまりにも優しい彼の横顔を見て、小さく小さく萎んでいく。
あまみ
宮 侑
宮 侑
そう間髪入れずに返ってきたとき、トドメを刺されたようにこの人に落ちたこと。
それを話して、彼に『なんでそこ??』と笑われる未来がすぐに来ること。
チーズケーキもガトーショコラも、両方頬張るのに必死な私はまだ気づいてない。
Fin.
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