東京ミッドハート0

東京 - 渋谷駅

私、こと白上 伶夏は東京へと足を運んでいた、その理由は今年から ｢東京政府異能力高校｣ 通称東能高に通う事になったからだ

東能高は東京でも指折りの進学校だ 教師のレベルも授業の内容ももちろん 生徒のレベルも頭一つ抜けている

私は友達と言える人は居なかった 人と話すのは苦手……相手がなにを考えてどんな気持ちなのか、読み取るのは大人でも難しい、とお姉ちゃんは言ってたけど……

私は感情と言うものがよく分からない 他人だけじゃない、自分も 嬉しい、悲しい、楽しい 理解は出来る……けど 自分でハッキリとそう感じた事は無い

歩いて数分後……

家の住所から程遠くない場所にあった 通学路にも重なる広めの公園……

バッチリと目が合う

あれ……は俗に言う不審者？ それともホームレスかな？ 学生には見えないし…… 今は学生は春休み中だけど こんな平日の昼に公園に…… お姉ちゃんに変な人には声をかけるな って言われてたし……… ここは無視して……

助けて欲しいのかな……？ 二日酔い……？ 困ってる人は助けてあげなさいって お姉ちゃん言ってた……

駅で購入していたペットボトルを渡す

………………………………

全然平気そうじゃない……

男はペンと紙を取り出し なにか文字を綴っている……

おじさん……悪い人じゃなさそう 怪しいけど

私が離れると怪しい男は 感謝の言葉と共に 手を大きく振って見送った

8年前

世間を騒がせた横浜伝説の事件

一夜で異能力犯罪組織が壊滅した

それも……たった1人の青年によって

政府の隠蔽工作だ！

ヒーローが突如現れたぞ！

当時騒がれた事件の名は…………

酩酊の夜