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何故か佐古は午前中ずっと不機嫌だった。
何か不満なのかまったく分からない。
俺はため息をついてカバンからお弁当を取り出した。
梓
櫻井
パンッ!と手を合わせて「ごめん!」と言いながら頭を下げた。
梓
櫻井
佐古とは毎日一緒に食べているけれど、さくはいつも友達と一緒。
もっと幼馴染と一緒に居てくれてもいいのに…。
そんな風に思いながら頬を膨らませて、「分かった」と返した。
走って教室を出ていくさくを見送ってから、クルリと身体の向きを変えて、窓の外をボーッと眺める佐古の肩に触れた。
梓
元気に声をかけると、佐古はビクリと肩を跳ねさせて顔を顰めた。
佐古
梓
歯を見せてニコリと笑むと、「仕方ねぇな」と言いたげな顔でお弁当を取り出した。
『天使の微笑み…』
そんな声が突然脳に響いてきて、ブフッ!と吹き出した。
天使って…俺男なんだけど。
くくくっと笑い続けていると、佐古はため息をついた。
佐古
梓
『今の口に出したら笑われるだろうな。…つか引かれる?』
ごめん。もう笑っちゃってる。引きはしないけどびっくりするよな。
笑いおさめた俺は前の人の椅子に座って佐古と向かい合わせになった。
梓
佐古
梓
本音を聞いてみたい。なんで帰ってくるんだろうとワクワクしながらお弁当の包みを開いた。
佐古
少し間を開けてから、無表情で言った。
『本当はすげぇ好き。付き合いたいって思ってる。けど…んなこと言ったら一緒に居れなくなる。』
“好き”と返ってくることは分かっていたけれど、言葉にされて俺は嬉しさと困惑で固まった。
佐古
今更だけど俺、恋愛対象として見られてるんだよな? もし、直接好きだって言われたらなんて返したらいいのかわからない。
佐古にグッと顔を覗き込まれてハッと我に返る。
梓
佐古
梓
ピタリと止まっていた手を動かしてお箸で卵焼きを掴んだ。