めりーくりすます

君が話しかけてくれた

入学当時ずっと1人だった僕に

「友達になって欲しい」

君がそう言ってくれた

こんなこと言われたのは初めてで

嬉しかった

いつしか、君のことが

友達として見れなくなっちゃって

あぁ

好き、なんだってね

叶わないって気づいてた分かっていた

ある日君が

ここに来てくれと僕に言った

言われた通り僕はここへ来た

君は勇気を出して僕に愛を伝えてくれた

僕も伝えよう

君が、頑張って言ってくれたんだ

君が好きだって

そのあとは一緒に桃くんと帰った

2人とも口は開かなくて

気まずかったけど本当は

2人とも嬉しくて嬉しくてたまらなかった

そこからは早くて

桃くんはかっこいいし

優しいし

桃くんといる時はいつもの10倍以上、時が早く進んでる気がした

だけどね

桃くんいっつもデートとか、そういうの無いの

別にそういうのが嫌なんじゃなくて、....

嫌なんじゃないんだけどｯ...寂しくて、

嬉しかった

嬉しすぎて泣きそうになってしまった

デート当日

こんなにわくわくすることは人生で一度もないだろう

何気なくスマホの画面をタップし、ホーム画面へ

SNSを見ると

夏祭り！浴衣姿彼ぴ喜んでくれるかな〜♡

青色浴衣、友達と花火

浴衣姿の可愛い女の子たちの写真と共にツイートがポンポン表示される

当日になって焦る自分

初めてのデート

そんな時ぐらいいつもと違う自分の姿を好きな人に見せたい

そうだ！

黄くん、僕の幼馴染

塩な性格だけど、

小さい頃からいじめられっ子だった僕を守ってきてくれた

とても優しくて友達想いな黄くん

ｼｬｯ（着替え室）

そう言って時計を見る

20時55分

集合時間は21時

早く君に会いたい

この姿を見せてあげたい

21時15分

一旦落ち着いて連絡をしようとかばんへ手を伸ばす

それと同時にスマホがふるえながら音を発する

電話を相手は僕の大好きな人

躊躇いもなく僕は応答をタップする

あぁ、僕の好きな声だ

僕の大好きな人の声だ

僕の好きな人と僕の好きな人の幼馴染が一緒にいる

それを聞いて僕は固まる

それと同時に花火が大きな音とともに大きな花を咲かせる

桃くんと赤くんの楽しそうな会話

その会話を終わらせたくて即座に電源をきる

生ぬるいものが頬に垂れてくる

周りからいくつも聞こえる恋人同士の声

逃げたくなって

嫌になって

何も聞こえないように耳を押さえた

ドアノブを開けようと手を伸ばす

黄くんとは家が近いため

夜は高確率で家に黄くんがいる

会えなかった、ダメだった

なんて言えるわけない

次の日から黄くんは普通に接してくれた

もうその話はすることはなかった

あれから一気に季節が変わって冬になった

一気に体が震える

あのことは忘れた

まぁ僕は忘れられてないけどね...w

もうあれは忘れた

大事なのはこれから...

あのことは忘れるって言っても、

忘れられない

机の上に置いたあった青色のケースに入っているスマホに手を取る

黄くんへ前と同じようなことを言う

（露出がばがばの服）

色々終わって

鏡に映った露出が少し多い服を着ている僕

寒さなんて関係ない、君に会えるんだから

.....また？

....また、来ない

前みたいに

来ないはずがない

だってｯ、だってだってｯ！！

3時間後

ねぇ見てあの子

さっきからずっとあそこにいない？

寒そ〜w

彼氏に振られたとか？w

可哀想w

「彼氏に振られたとか？w」

うるさいｯ

「忘れられない系？w」

うるさいｯ...！

可哀想な子

うるさいｯ！

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙｯ

分かってた

どうせ、桃くんと赤くん楽しそうに笑ってたんだ

それならうんっと笑おう

気にならないように

頑張ってた僕がばかみたい

ついてない

どんｯ

あの子帰るのかな？

あれ誰？元カレとかw

元カレ怒らせたとかじゃね？www

うわ、可哀想www

え、なんかこっちきたんだけど

は、？

何言って！

可哀想な人

お前！

暖かい幼馴染の家

綺麗な顔をした幼馴染をソファへとおろす

君のスマホをバックの中から取り出す

スマホには透明なケースとそのケースに僕と君のツーショットこ写真が貼られている

5年前君と撮った写真懐かしくて少し固まってしまった

軽々と君の誕生日を打ちホーム画面へ

「桃」、という連絡先を見つけ電話をかける

. . .

ここは青ちゃんの家でも僕の家でもない来れるわけがない

視線やべw

1週間後

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝｯ

めりーくりすます