コンコンッ
夏油
バチンッ
最低ッ!!
先輩は頬を叩かれても無表情で 微動だにしなかった
勝手に彼女ぶって怖ぁ,笑
先輩に抱きつく美人な女性
なに勘違いしてんの?
このッ"!!
頭に血が上っているのか また手を上げようとしていた
夏油
亮(リョウ)
誰よッ!?
亮(リョウ)
え,急すぎなんだけど
まだイチャイチャ終わってないじゃん
亮(リョウ)
え ~ 何かいいわ,冷めた
2人の女性は不満が残りながらも 帰っていった
夏油
亮(リョウ)
夏油
いつも先輩は誤解されている
それが良い意味でも悪い意味でも,だ
夏油
亮(リョウ)
亮(リョウ)
先輩の周りにいる人は都合のいい事しか 耳に入れてくれない
気遣いを好意だと勘違いする
そして私も,その大勢の中の1人だ
夏油
叩かれ真っ赤になった頬,澄んだ海のような瞳
真っ直ぐと私を見ているのに先輩は きっと私とは違う世界が見えてる
亮(リョウ)
先輩は何時も優しい笑みを浮かべるが その笑みは何処か寂しさがある
人に勘違いされやすい先輩の孤独や 先輩にしか理解できない感情
先輩には理解できない感情
その全てが詰まった先輩を私は知ることが出来ない
何を考えているのか,何を見ているのか
私には決して理解させてくれない
夏油
亮(リョウ)
夏油
先輩の耳を優しく撫でると 驚く様子もなく慣れたような目付きをする
こういう雰囲気になることは 先輩にとって珍しいことでも無いのだろう
だから少し欲を出したんだ
このままいけば先輩の意思を無視して 私の欲を満たせるんじゃないかって
酷く醜い欲が顔を出した
亮(リョウ)
その欲を先輩は優しく押し戻した
これは私の為だと知ってる
きっと,このまま欲に呑まれれば 私が罪悪感で苦しむと分かっているから
決して女性には見せない,先輩としての優しさが
ただ後輩としてしか見られてないことを 再認識させられ苦しくなった
亮(リョウ)
逃げるように お風呂場へ来た
傑は決して誤解しないと思っていた
油断していたんだ
また俺は人を傷つけた,泣かせた
こんな事なら傑とも関わらなければ良かった
そんな事を思ってしまう俺が許せなかった
これは人に関わってしまった罰だ
人を愛せなくなった罰だ,嘘をつき続けた罰だ
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