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中原 中也
コチ、コチと時計の秒針の音が部屋に響く。
中也は先刻から自室の椅子に座ったまま動けずに居た。
電話の声が何度もリフレインする。
『お前も知って居る奴だ』
『太宰治。』
中原 中也
何故。中也の口がそう、声無く動いて居た。
中原 中也
今度は声が出た。だが、掠れた小さな声。
猶予は三日。彼奴はそう云った。
俺はそれまでに太宰を殺さないといけない。
中也の瞳孔が焦点を失う。
中原 中也
中原 中也
自分の心が壊れていく音がする。
暗闇の中で中也は考えるとも無く思った。
翌朝。
椅子の上に体育座りをした、小柄な中学生殺し屋は 自身の膝から顔を上げた。
彼の上に、陽は、さらさらと さらさらと射していた。
中原 中也
中原 中也
力無い笑い。
目の下には薄らと隈が在る。
中原 中也
昨日からずっと制服だ。
光のない錆浅葱色の眼を自身に向ける。
身体を引きずる様にして、中也は部屋を出た。
太宰 治
中原 中也
保健室前。太宰は中也が来る事を見越していたかの様に扉前に立って居た。
太宰 治
唇を噛み、中也は倒れそうになり乍ら室内に入った。
太宰 治
中原 中也
中也は黙ったままだ。
太宰 治
中原 中也
太宰 治
今度は太宰が黙る番だった。
中原 中也
中原 中也
あの時云えなかった言葉を、今。
中原 中也
保健室に、風が吹く。
白衣が揺れる。
太宰が云う。
太宰 治
太宰 治
中原 中也
中原 中也
太宰 治
疲れて居る様でも、短刀の様に鋭い瞳。
太宰はその視線に応える様に再び云った。
太宰 治
続けられた言葉に、中也が瞠目した。
コメント
7件
めっちゃ続きが楽しみすぎて今日眠れない(´◉ω◉` )!!!みたいよぉおおおお!今回も神作ありがとうございます!続きしばし待ちます!( ʚ̴̶̷̆ᴗʚ̴̶̷̆ )ゞ
あぁああああ((五月蝿 終わり方が分からないいいいいい((五月蝿 まいっか((は? ていうか皆察しが良すぎだよ… まぁ太宰さんが標的、しか選択肢無かったのは事実だけどさ… 今日も見てくれてありがとお! 主は勉強頑張ってくるよ!