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⸻昼すぎ・リビング
いつの間にか、うとうとしていた麗央がふにゃ、とソファの上で伸びをした
熱はまだ少しあるけど、薬が効いたおかげか、身体はさっきよりも少しだけ軽い
麗央
その声に反応したのは零斗だった
零斗
麗央
零斗
麗央
零斗
零斗が両手で顔を覆い、悶えるようにキッチンへ向かう
零斗
麗央
その甘え声に、零斗は背中を向けたまま耳を真っ赤にした
キッチンの冷凍庫を開けながら、朔矢がぼそっと言う
朔矢
龍牙
龍牙が静かに断言した
数分後、零斗が戻ってきた
持っていたのは、ほんの少し溶けかけたチョココーティングの棒アイス
零斗
麗央
麗央は座ったまま、包みを開いてアイスを一口
麗央
目を細めて、舌先でちろ、と表面をなぞる
その“舐め方”に、場の空気が一瞬で変わった
朔矢
朔矢がクッションを抱えて、小さく呻くように言う
朔矢
麗央
麗央はぽかんとした顔のまま、アイスを口元に戻して――
こんどは、ちゅう、と軽く吸いながら先端を舐めた
その瞬間、零斗の手がソファの縁をぎゅっと掴む
零斗
麗央
麗央は小首をかしげて、溶けかけたアイスの端をぺろり
そのとき、ぽたっとチョコの端が少し垂れた
零斗
即座に、零斗の手が伸びて、麗央の手首をそっと支えた
麗央
零斗
零斗は深呼吸しながら、もう片手でティッシュを取ってきて、麗央の口元をふいてやる
零斗
麗央
麗央は、チョコが溶けた唇の端を、ぺろ、と自分で舐めた
麗央
全員の動きが止まった
「…………」
朔矢
朔矢がゆっくりと頭を抱える
龍牙が背を向けて、口元に手を当てながらつぶやいた
龍牙
零斗
零斗が即座に怒鳴り、蓮がため息まじりに立ち上がる
蓮
麗央
蓮
麗央
そう言って、自分が食べかけた棒アイスをそのまま蓮の口元へ差し出した
蓮はしばらく無言のまま、それを見つめて――視線をそらし、静かに言った
蓮
麗央
零斗
隣の零斗が、うめくように頭を抱えた
朔矢も、ぐったりした表情でソファに沈み込む
朔矢
龍牙
龍牙のぼそっとした一言に、3人とも沈黙する
その真ん中で、麗央は無邪気な顔のまま、棒アイスの最後をちゅうっと吸って――
麗央
「ねえから! もうおまえ食うな!!」
全員が叫んだ
だいふく
だいふく
だいふく
コメント
15件
初めてコメントさせて頂くものです、 とてつもなく好きです、好きすぎていいね連打しちゃいました、ゆっくりで大丈夫ですので続き待ってます!!
この前友達に勧めたらめっちゃいいねって言ってた。私が作ってるわけでもないのに、なんか嬉しかった
めっちゃ尊い!!最高すぎる!!