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yumi
あっ…
yumi
さっきの
悠人
？
yumi
トイレに貝殻が落ちてたんだよ
悠人
え…
yumi
どうしたの？
悠人
まさか猫、来てないよな？
yumi
来たらどうなるの？
悠人
これも噂だと思うけど、黒猫が来ると呪われるって
yumi
黒猫？私が見たの白猫だったよ？
悠人
黒と白で違いがあるか知らないけど
yumi
私、信じないからね
yumi
そーゆーの
悠人
別にいいさ
悠人
俺も信じてないもん
yumi
やたら噂話多いよね悠人って。
yumi
えーでも怖いなもう
yumi
びっくりさせないでよ
悠人
でさ、本当にここどこなの？
悠人
俺、嫌な予感しかしない
yumi
そんな事言わないでさ！ポジティブに考えよーよ
悠人
だってポジティブも何もこんなとこで立ち止まるわけに行かないだろ
悠人
さすがに親探しに来ちゃう
yumi
大丈夫だって
悠人
てか、この間ハンカチと手紙出てきたけどさ
悠人
あの手紙気にならね？
yumi
やめてよ
yumi
今それどころじゃないでしょ
ヒュー…ヒュー
yumi
うわ、すごい風だね
悠人
早く戻った方がいい
yumi
とりあえずあっち行ってみよ
私と悠人は東に向かって進んで行った。五分ほど暴風の中歩き続けていると、ふと足に何かが当たった。
yumi
(コツン)
yumi
ん？何？
足元に目をやると、 野球のボールが落ちていた。
yumi
何この汚いボール…
yumi
悠人
悠人
俺野球してない
yumi
ちょっとこの裏見て
悠人
げっ
悠人
何これ？血？
yumi
やだ！やめてよ！
yumi
赤い絵の具でしょ！
悠人
そんな誤魔化し通用しないかもな
yumi
…？
悠人は赤い液体を指ですくって見せてきた。
悠人
ほーら
yumi
やめてよ
悠人
まだベトベトしてるぜ
yumi
やめてよ気持ち悪い
悠人
ってことはさ、まだこの液体はボールに付いたばっかりってことじゃね？
yumi
絵の具って乾くとパリパリになるよね
悠人
別に、血だって固まる
yumi
今歩いてる時誰もいなかったよね？
悠人
うん
yumi
じゃあ誰が…
yumi
猫？
そこには、白猫が立っていた。
yumi
(ん？さっきトイレにいたのと似てる…？)
悠人
首傾げてどうした？
yumi
いや、この子さっき見たなーって
yumi
トイレで
悠人
それやばくね？
悠人
ついてきたってこと？
yumi
分かんない。さっきまではいなかったと思うけど
悠人
じゃあなんでいんのか
悠人
見間違え？
yumi
えー？さっき見たのと同じな気がする
yumi
ほら、左耳が黒くて目が青い。間違いないよ。
悠人
俺見てないから知らなーい。
yumi
…雨？
悠人
やば
急に雨が滝のように打ち付けてきた。
yumi
ほんと嫌！今日天気おかしいでしょ！
悠人
前見えねー
悠人
どーすればいいんだよお
yumi
こっち！
地面に生えてた大きな葉をむしり取って雨をしのいだ。
yumi
ほんと嫌になる
悠人
神社どこにもないし
yumi
悠人がこんなとこ連れてくるからでしょ！もう！
悠人
おかしいぞ？
悠人
由美がトイレ行く前、確か神社の鳥居の上の部分が見えた気がしたんだよね
yumi
どうせ気のせいでしょ？
yumi
あれ？猫ちゃん…
yumi
猫ちゃーん！知らないうちにどっか行って。
yumi
どこだろう
yumi
悠人もそんなとこで立ってるなら一緒に探し…
yumi
悠人！？
後ろを振り返ると、悠人はいなかった。
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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