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出会いは突然だった。
忙しいスケジュールをこなしながら 急に3日間の休みが出来て帰省した
昔からお世話になっている地元の楽器屋に寄る
するとそこの店主から
「しょっちゅうこっちに帰って来れるわけじゃないんだし、 ソウルで俺の知り合いが働いてる店あるからそこ紹介するよ」
そう言われた
「小さい店だし、いい奴だから」
とまで言われて
ソウルに帰ってから いつも使ってる機材のチューナーの調子が悪く 見てもらおうと思い 教えてもらった店に行くことにした
奥まった裏路地に面した店で パッと見じゃ楽器屋と気付かない
ドアを開けると木のあたたかい匂いがする
○○
奥から凛とした高い声が聞こえてきた
○○
ミン・ユンギ
○○
俺の目の前に居る女性が笑ってそう言う
ミン・ユンギ
店主が言ってた『いい奴』だとようやく理解できた
てっきり男性かと思っていたが 俺よりたぶん年下の若い女性だった
ミン・ユンギ
○○
ミン・ユンギ
○○
ミン・ユンギ
○○
と微笑んで 奧の部屋に入っていった
そして、3分も経たない内に
○○
パタパタと走る足音と共に戻ってきた
○○
確認すると、きちんと直っていた
自分でも直せるか色々してみたけど 出来なかったのに
ミン・ユンギ
○○
これが
彼女との出会いだった
それから度々 機材を直してもらったり 新しい物を買う時に相談にのってもらったりしていた
マニアックな機材や楽器も詳しかったから
ミン・ユンギ
と聞くと
○○
○○
そう言って笑ってた
店に通うようになって一年くらい経ったある日
店を覗くと 若い男が彼女と話していた
大体、行く時は閉店ギリギリ
他の客が居ない時間を狙って行ってた
珍しいなと思っていたら 彼女も笑顔で楽しそうに話してるし その男は去り際には彼女の頭を優しく撫でていた
ドアの近くに居た俺に軽く会釈すると 男はどこかへ行ってしまった
ドアをいつもより重く感じながらくぐって中に入る
○○
いつもと同じ笑顔で挨拶してくれる
ミン・ユンギ
○○
○○
ミン・ユンギ
○○
なんとなく心臓の辺りがムカムカしてギュッとする
彼女はそんな事 知らずにいつもの笑顔
今まで一緒にいて落ち着く 気の合う 友人のようだと思っていたけど
違ったんだな
忙しい日々の中 不意に会いたくなるのは彼女だけで
いつからだろう と考えたけど
たぶん、初めて会った時からだった
あの瞬間が始まりで
透き通った『ラ』の音が 静かに心に響いた