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昼休み直前
璃央は、ふいに足を止めた
璃央
胸の奥が熱い
皮膚の内側からじわじわと体温が上がる
抑えていたはずの波が、一気に押し寄せてきた
璃央
机に手をつく
クラスメイト
璃央
平気なわけがない
璃央
自分でもわかる
璃央は教室を飛び出した
廊下
視線が刺さる
誰かがひそひそと話す
???
???
璃央
鏡夜はいない
今日は模試対策で別教室だ
璃央
階段を駆け下りる
行き場なんて、ひとつしか思いつかない
重い扉を閉める
暗い
埃っぽい空気
マットの陰に座り込み、膝を抱えた
璃央
呼吸が荒い
抑制剤は、朝飲んだ
でも、足りなかった
璃央
こんなに強いのは久しぶりだ
匂いが漏れている気がして、自分の腕を抱きしめる
璃央
誰もいないのに、呟く
扉の向こうで、足音が響いた気がした
璃央
見つかったら終わる
噂どころじゃない
全部、壊れる
視界が滲む
璃央
ぽたり、と床に雫が落ちた
泣きたくなんてない
でも
璃央
声を出せば、匂いも強くなる気がして、唇を噛む
指先が震える
璃央
無意識に、名前がこぼれた
その瞬間
倉庫の扉が――
わずかに、軋んだ