コメント
2件
影
影
影
影
影
夕陽が私達を撫でる様に教室を包み込んでいる
私は国語教師の極一般的な先生だ。 机を合わせ、面倒臭そうに頬杖を立てながら横目で窓の外を見つめる彼の名は中国。特に勉学に支障をきたさない彼だが、少し勉強に付き合ってくださいと、そう言われてしまったので彼の勉強を見る筈だった。何故影の薄い私なのか聞いてみたい処だが、そうもいかないので大人しく相手をしている。
日本
中国
日本
かれこれ沈黙10分。これだけ待たせて置いて冷静過ぎる。まぁ、元々彼の性格はこんな感じだから許すとしよう。冷静で無口無頓着、真面目で刺がある。こういう生徒は稀だ。
中国
日本
アメリカ先生、英語教師でいわゆる一軍,二軍に人気のある生徒だ。スペックも良ければ頭も良い。教え方も面白い且つ、分かりやすい。私みたいな平凡で普通の人とは縁が無さそうな人間。
中国
日本
中国
中国
日本
中国君って笑うんだな、内心そう思った。何時も無表情で関わりの無い人物だったから。結局なんで私を見ていたかは分からない、でも生徒の笑顔を見るのは教師から見れば嬉しいものなのだ。
中国
中国
日本
日本
中国
__________
俺は日本先生の事が好きだった。否、今も好きだ。 冷えきっている俺なんかに優しくしてくれるし、なにより優しいその微笑みに惚れた。勿論知ってるさ、教師と先生だなんて駄目という事を。世間的にも、嫌な視線を送られてしまうだろう。何より、嫌われる事が怖かった。臆病なのだ、意外と。
この先生と話していると心が暖かくなる様な感じがする。二年の時にこの高校に入ってきた先生は、あっという間に俺を魅了した。でももう俺も三年。卒業も近い。本当はしたくない、離れたくなかった。先生だけが俺を暖めてくれる。こうして誘ったのも卒業という単語に心がぽっかり開いたような気がして、先生には申し訳ないけれど穴埋めをしてもらいたかった。
中国
日本
中国
中国
日本
嗚呼、もう狡いよ。そんな笑顔見せて、俺だけが報われないじゃないか。''また''なんて言っちゃったけどきっともう無い。先生に迷惑なんて掛けられない、でも...少しくらい甘えてもいいのかな。
日本
中国
嗚呼、明らかに驚いている。御免なさい先生、最後に俺の我儘聞いてください。
中国
日本
中国
日本
日本
照れ臭そうに笑う先生、夕陽に照らされる先生、目を細めて子供みたいに笑って手招きしてくれる先生、嗚呼やっぱり好きだよ先生。
中国
___
___
___
日本
日本
どうやら寝てしまっていたようだ。凄く懐かしい夢を見ていた。 四年前、とても冷静で無口無頓着な生徒。あの日、私達は勉強会的なのをした。成績優秀な彼が珍しいなとは思ったものの、生徒に頼られる事が嬉しかった。そういえば、最後に写真を撮った。急に言い出すものだから吃驚したが、OKを出した。その写真は___今でも大切に残っている。この小さな写真立てに。変な人だと思われるだろうが本当に生徒に愛された気がして私は幸せだった。
日本
日本
アメリカ
日本
日本
アメリカ
日本
アメリカ
日本
アメリカ
そういえば、中国君って帰り際に私の事好きって言ってくれたなぁ...いやぁ、幸せ者だなぁ私って!生徒に愛されてる!
_________日本の机にある写真の中には、幸せそうにピースする日本と控えめに微笑した中国の姿があった。___________
影
影
影
影
影