泡と、黒蝶。〜season2〜

私は莉仁くんの所へ向かった

そこには泣き崩れる家族の姿があった

私は何も言えず泣き崩れる家族の姿しか脳裏に浮かばなかった───

私のせいでこうなったなんて知ったら逆上しないかな…？

莉仁くんを思い出しながら話していると自然と泣いてしまう───

一途…私に対して…

自意識過剰過ぎるかもしれない けど、そう思いたい───

奏多の事だ───

私たちは知っているが、ご家族の方は知らない為。

決して言わないようにとお灸を据えられていた───

莉仁くんが庇った女性も私ということは口が裂けても言わないようにと───

主治医と旭陽さんから硬く口止めされている───

そう考えると私は最低だ───

私の身代わりに脳死になってしまった莉仁くんがドナー登録をしていたからと、奏多の心臓に移植を願う───

そこまでしてでも奏多に生きていてほしい───

なんで言うの！！

終わった…

予想外だった…

てっきり逆上されるものだとばっかり思っていたから───

その移植相手の妻なのに…

莉仁くんのお母さんにお願いされ 顔を見る───

顔中傷だらけではあったが綺麗な顔をしていた───

まだ高校生でこれから先色んな出会いが待っていたのに───

私が一瞬で奪ってしまった…

ごめんなさい…

ごめんなさい…