世界が貴方を忘れても

貴方と一緒ならなんでもできる

そんな補償どこにだってないのに

ねえ、アニキ

なんで

約束を破ったの？

俺は、貴方を守りたくて、 ここまで来たのに

貴方と一緒だったから、 ここまで来れたのに

貴方とずっと一緒にいるって 約束したのに

俺の記憶は、ここで途絶えた

彼の特徴的な髪色が目に入る

覚えている、全部 貴方が微笑んだまま消えたことも

事故……やって？

泣きそうというか、もう泣いてる 彼をただ見つめる

俯いて唇を噛み締めている

ああ

なんでこんなにも

この世界は残酷なのだろう

涙を拭って、強くあろうとする

優しいな、ないこは

そんな、意地悪を言うの？

わかっていた、ハズ、なのに

スマホには、貴方との想い出が 沢山、記録されている

連絡先から、貴方の名前が消えている

ない

ない

ない

世界の方や

もう、わかっていたのだ

貴方が消えたことなんて

うずくまって、唸って、

雨が降るのをただただ見ていた

あの日から、数ヶ月が経った

俺は死んだように今を生きている

貴方がいない世界なんて

最初から存在しなかったみたいに

貴方が消えた。 それを証明するものも無くなった

いなかったとしか、言いようがない

世界が貴方を忘れた

今、世界があるのは、全部 悠佑のおかげや

やけど、2人なら、！ まだ、少しでも残れたハズなのに！

その選択がどうなるかを知っていて

考えもせずに声に出た言葉は 俺の何かの線を切った

病院から出て一番、 ハイテンションになった

自殺＝屋上は安易だが、 20階ぐらいなら確実に死ねるだろう

廃れたビルの上に立った

そんなこと思えるのは、 もう死ぬと思っているからだろう

どーせ家族も誰もいない

唯一の親友　ないこは 俺に優しくしてくれた

言いたいことも、あまりないし

無難に、今までの感謝を、 一言で言うことにした

全ての準備を済ませた

空がキレイや！

飛び降りた

ハズだった

飛び降りた足を掴まれてた

……なんで、かは、わからないけど どうやらアニキに助けられたようや

思わず、飛びついた

一方的に話す俺に相槌を打つ貴方

ふにっ、と何かが唇にあたる

アニキの顔が、近い だけど、すぐ離れてしまった

俺の名前を呼ぶ、貴方に、 俺はずっと__________

恋をしている

ビュウウウ！

そのとき、風が吹き荒れて、 つい目を瞑ってしまった

開けた時にはもう、貴方は いなくなっていた

俺に、忘れないで、なんて、

生きるしか、なくなるじゃないか

もう、君は見えないけど

きっと、貴方は聞いてくれている

世界が貴方を忘れても