mzat 短編集

配信用のサムネ作って , 撮影用のmod作って 。

いくら消化しても無くなりきらない作業達 。

けちゃから今月分のサムネ作ってって言われたから , あと二つ 。

撮影用のmodは , 決まってる企画が四つあるからあと四つ 。

あとは個人の歌みたのRECと , 企画会議と , 撮影と …

考えれば考えるほど出てくる其れ等に , 思わず意識が飛びそうになる 。

荷物を纏める為にゲーミングチェアから立ち上がれば , 飲みかけのエナドリ三缶がガラガラ , と倒れ床がびちゃびちゃに成った 。

別に誰が見る訳でもないこの部屋を , 綺麗に保つ理由は大してない 。

部屋を綺麗にする事より , 会議に間に合う事の方が優先だ 。

必要最低限の物だけ抱えて家を飛び出た 。

ぐるりと部屋全体を見渡せば , 俺以外のメンバーが既に揃っていた 。

その様子を見るだけで胸がきゅぅっと苦しくなって , そそくさと部屋の隅に荷物を纏める 。

あれから数時間程経っただろうか 。

正直 , 会話の内容は殆ど頭に入って来ていない 。

刹那 , 視界がぐるりと回る 。

そう言って , 俺の目元をそっとなぞるまぜ 。

ばたん 。 あまりにも無機質な音を立てて戸が閉まる 。

俺は知ってる 。 まぜが , こんな悪質な嫌がらせする奴じゃない , って 。

いや確かに泣かされたけど … 。

そういってまぜがビニール袋から取り出したのは , 卵のお粥とスポーツドリンク 。

消化の良い物をわざわざ買って来てくれる辺り , やっぱり良い奴なんだな , って改めて思う 。

わざとらしく , 声を大にしてちらちらまぜの方を見ながら叫ぶ 。

思ったより素直に伝えられ , バツが悪くなってしまう 。

照れ隠しの様にお粥を口に含めば , 思っていたより熱くて火傷しかける 。

お粥を抱えてまぜの元に向かえば , スプーンを受け取ってふ ｰ , と冷ましてくれる 。

俺の為に何かしてくれているのが , 嬉しくて 。

思わずそう囁く 。

… まぁ , 褒めてくれたし良しとしますか !