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「殺し合いなんだよ、俺にとってサッカーは…。」

柏木 響

…凛くんは、そう言ってた。

柏木 響

…殺し合い?

糸師 凛

…。

それ以上、凛くんは何も言わなかった。

柏木 響

…あ、ここまででいいよ。

糸師 凛

…おぅ。

柏木 響

わざわざありがとね凛くんっ!また明日!おやすみなさい。

糸師 凛

…。

いつの間にか背を向けて暗闇の中歩いていく凛くん、 相変わらず言葉が少ない。

柏木 響

殺し合いって、どういうことだろ、そんぐらい本気とかなのかな。

柏木 響

でも、あまり単純な理由じゃない気がする…。

柏木 響

うーん…。

考えれば考えるほど、凛くんのことがわからない。

柏木 響

…はー、もう寝よ。

布団に潜り込み、いつの間にか意識を手放していた__

柏木 響

ふぁー…ねむ。

欠伸をしながら登校中、すると、後ろから声が。

森宮 紗奈

ひーびきっ!

柏木 響

わ、紗奈。

森宮 紗奈

おっはよー!ね、昨日のこと聞かせてよ。

柏木 響

おはよ…昨日のって、公園の?

森宮 紗奈

うんうん、絶対何かあったでしょー。

柏木 響

そんなになかったよ…?昨日あの後…

そうして、昨日のこと…帰りに話したこと以外のことを話した。

森宮 紗奈

えー!なにそれ!あったんじゃん!

柏木 響

落ち着いてよ紗奈。

森宮 紗奈

落ち着けるわけないよー、普通にいいじゃん、そういえば、糸師くんって結構イケメンだよね?背も高いしサッカーも出来るしで、
いいじゃんいいじゃん!

柏木 響

何が…?それ以上に性格に難アリでしょ。

森宮 紗奈

でも起きるまで待ってくれて、更に更に送ってもらったんでしょ?

柏木 響

それはそうだけど…。

森宮 紗奈

ふふ、今日のお話も楽しみにしてるからね、急ごー!

柏木 響

あ、ちょ、待ってよ紗奈〜!

森宮 紗奈

というか、ほんとにいいと思うよ?糸師くん。

柏木 響

もぅ…すーぐ恋愛に繋げる、恋愛話好きだよね紗奈。

森宮 紗奈

だって〜!

柏木 響

あ、おはよっ、凛くん。

教室に着き、自分の席に座って、隣の席の凛くんに挨拶をする。

糸師 凛

…。

相変わらず、無視…。

柏木 響

…挨拶ぐらい、返してくれてもいいじゃん。

何故か少し拗ねたような言い方になってしまった。 なんだか恥ずかしい。

糸師 凛

てめぇとの挨拶は俺にとって無意味だ。

柏木 響

なんじゃそりゃ…じゃあ私にとったら
無意味じゃないから挨拶返して。

糸師 凛

はぁ…相変わらず頭おかしいな、お前。

柏木 響

そっちは相変わらず口悪。

糸師 凛

…。

柏木 響

…。

どうしよう、何故だかバチバチとした空気になってしまった。

糸師 凛

…。

急に凛くんは小説を取り出し、読み始めた。 …これは、話の輪を広げるチャンスかも。

柏木 響

何読んでるの?

糸師 凛

お前には関係ねぇだろ。失せろ。

ぐぬぬ、怯むな私。

柏木 響

いいじゃん、教えてくれたって、勝手に見ちゃうもんね…。
え、すごい怖いやつじゃんこれ。怖いの好きなの?

糸師 凛

…うるせぇ、本読んでるときに話しかけんな。
集中して読めねぇだろうが。

柏木 響

ごめんごめん。

話の輪を広げるには、ここで一緒に読みたいとか、 私もそれ好きだよとか言うべきなんだろう。

…だが、実を言うと私は怖いのはあまり得意ではない。

いや、でも、仲良くなるため…!大丈夫!

柏木 響

…ね、ねぇ、私も読んでいい?

なんだか声が震えている気がするが、おそらく気のせい。

糸師 凛

…。

凛くんが、すごく嫌そうにしかめっ面でこちらを見る。 なんだい、そんなに嫌かい。

柏木 響

…。

糸師 凛

…はぁ、勝手にしろ。

お?

そう言って、凛くんは片手を小説から離し、こちらが見やすいようにしてくれた。まさか、意外と出来る男なのか。

柏木 響

ありがとっ。

一冊の小説を2人で読んでいるため、自然と互いに顔が近付く。

集中して読む頃には、そんなこと気にせず、 互いに目線だけを動かしていた。

クラスメイト

あそこの2人仲良いな〜。

クラスメイト

仲良いって言うか、あいつらめっちゃ顔近いじゃん。付き合ってんじゃね?

クラスメイト

えー、糸師くんかっこいいから狙ってたのに。

クラスメイト

俺柏木さん可愛いなって思ってたんだよ…。

クラスメイト

いや、まだ2人が付き合ってると決まったわけじゃないだろ。

クラスメイト

でも、特に糸師くんは誰かと話さないタイプそうだし…。

そんなクラスメイト達の声も耳に届かず、 夢中で本を読み進めていた。

途中で怖くなって目を逸らしたり、読み終わらずに凛くんが 次のページに進めたりと色々あったのは内緒。

柏木 響

…わー、結構怖かった。

糸師 凛

ふん、こんなのでビビるとか、ぬりぃな。

柏木 響

仕方ないじゃん、怖いの苦手なんだよ。

糸師 凛

じゃあなんで読みたいなんて言ったんだ?怖いなら読まなきゃ
いいだろ。

正論すぎて何も言えん。

柏木 響

…だって、凛くんと仲良くなるためには仕方ないかなーって。

糸師 凛

…ぬりぃな。というか、そんなんで仲良く出来ると思ってるとか、頭の中お花畑にも程があるだろ。

柏木 響

そ、そんなこと…!ない、と思いたい。

糸師 凛

…そろそろ授業始まるぞ、黙ってさっさと席に着け。

柏木 響

ん、て言っても隣だけどね。

糸師 凛

ッチ…。

柏木 響

舌打ちは酷くない?

糸師 凛

うるせぇ、黙れ。

柏木 響

もぅ、相変わらず。

糸師 凛

当たり前だろ、そんな簡単に変わんねぇよ。

柏木 響

それはそう。

…あれ、結構会話のラリー続いてる…!?

これ、すごい進歩では!?

糸師 凛

…なんだ、急にソワソワしだして、気持ちわりぃ。

柏木 響

そんなことないよっ!?

でもどうしよう、普通に嬉しくて、すごく嬉しくて、 どうしても躍動する心を抑えれない。

柏木 響

えへへ…。

糸師 凛

ッチ…ホント気持ちわりぃ。

柏木 響

今は気分が最高にいいから聞かなかったことにしてあげる。

糸師 凛

はぁ…めんどくせぇな、お前。

柏木 響

そういえばさ、名前覚えてくれた?

糸師 凛

ん?あぁ…どうだろうな。

柏木 響

なんじゃそりゃ、たまには名前呼んでよ。

糸師 凛

気分が最高にいいときに気が向いたら呼んでやるよ。

柏木 響

それ一生呼ばないやつじゃん。

柏木 響

せめて覚えてるかの確認で1回呼んでよ、苗字だけでいいからさ。

糸師 凛

…本当めんどくせぇな。

柏木 響

ほらほら、早くー。

糸師 凛

…柏木。

柏木 響

おっ、ほんとに覚えててくれてたんだ。

糸師 凛

あ゙?てめぇから覚えろって言っといて覚えてないと
思ってたのかよ。

柏木 響

そんなことないよ〜。

糸師 凛

ッチ、うぜぇ…。

柏木 響

ふんふふーん♪

糸師 凛

…。

柏木 響

ふんふふーん♪

糸師 凛

…ッチ。

あぁ、今隣にいるやつの気分の良さそうな顔見てると、 無性に腹が立つ。

今までこんなに関わろうとしてくるやつ、初めてだ。

まじでうぜぇ。めんどくせぇ。

糸師 凛

なんなんだよ、ほんと…。

そうこぼれ落ちた言葉は、多分俺の真下で消えた。

柏木 響

ん?なんか言った?

糸師 凛

…なんも言ってねぇよ、クソ…。

柏木 響

えぇ、暴言混ぜるのやめてよ。

糸師 凛

うるせぇ、ビビりクソ女。

柏木 響

モブから変なあだ名に変わってる…!?でもそっちの方がやだなぁ!?

糸師 凛

マジでうるせぇな…。

柏木 響

ごめんって。

ッチ、こいつといると無性に腹が立つ。 全部、このよく分からん女のせいだ。

柏木、のせい。

柏木 響

最後まで見てくださり、ありがとうございました〜!

柏木 響

質問なんですが、この物語に冴出してほしいですか?

柏木 響

兄がいるという設定は残したいんですけど、冴を登場させるかどうか、また、登場させるならナイトスノウ前後どちらの仲の良さ具合かも、出来ればコメントとかで希望を書いてほしいんです。

柏木 響

では、次回もお楽しみに。

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