「六月の君の嘘 第五話」
先生
あいつは…。
鈴木 涼
どうなったんですか!?
先生
……。
鈴木 涼
先生!早く言ってくださいっ!!!
先生
あ、ああ。涼、雨宮…、あいつの足は…
鈴木 涼
あ…し…?
先生
ああ。
鈴木 涼
っちょ、ちょっと待ってくださいよ、足って…!?
あいつには…あいつにはサッカーが…!!!!
あいつには…あいつにはサッカーが…!!!!
たまらないほどに嫌な予感がした。 体中に脂汗がにじむ。
鈴木 涼
先生も…先生も知ってるだろ!?あいつ…あいつがサッカーが好きな事!!!!!
先生
…もちろんだ。涼、一旦落ち着け。
鈴木 涼
落ち着いていられるわけないじゃないですかっ!!!!
先生
分かるが、一番つらいのは、私でもなく、涼、お前でもなく、雨宮でもなく、
あいつ自身だ。
あいつ自身だ。
鈴木 涼
…。
先生
あいつの足は、もう治らないそうだ。
雨宮 凛
嘘…
鈴木 涼
嘘…だろ…
俺は、先生につかみかかった。 先生は、ただ、泣いていた。 初めて見た、先生の涙に驚く。 先生も知っているのだ。 蓮が、どれほどサッカーを楽しんでいたか。 先生は、サッカー部の顧問をしているから、余計にわかるのだろう。 サッカーをする者にとって、 足が使い物にならないことが、 どれほど苦しいか。
雨宮 凛
私っ…私っ…なんてことを…
雨宮 凛
こんなの…私が蓮の人生を奪ってしまったのも同然よ!!!
先生
雨宮…。
鈴木 涼
先生、蓮はどこですか…?
先生
蓮か…?307号室だ。
鈴木 涼
わかりました。
鈴木 涼
おい、凛、お前が行け。
雨宮 凛
え…。
鈴木 涼
まずはお前が会ってこい。
雨宮 凛
私…蓮と顔なんか合わせる事できないっ!
鈴木 涼
早く行ってあげろ!!!!!ちゃんと、ちゃんと、正直に気持ちを伝えろ!!
雨宮 凛
涼…分かった。