・孤独女と警備員とほほ笑み
結
なんか今、会場内がざわついたような…?
結は会場内を覗く
康平
気のせいでしょ?
康平は気怠るく答えた。結は康平を見て1つ聞いてみる
結
何で私を引き止めたの?
康平
本当に暇だったから話相手が欲しくて
結
ハイハイ。そうですか…っと
その瞬間、扉からものすごい勢いで人が出て来た。その拍子に結はよろめきそうになるが康平が支えてくれた
康平
お客様、大丈夫ですかって…船長、それに留美子さん?
康平が結を起こしながらも思わず2人に目がいった
幸一
すみません、お客様。お怪我はございませんか?
島田は結を案じて聞いた
結
いえ。大丈夫です
瑠美子
本当に申し訳ございません
留美子は深く頭を下げた
島田と留美子は結に改めて深く頭を下げてその場を後にした
結
どういうことでしょう?スケジュールでは今、船長はパーティーのオープニングに出ているはずじゃ…?
結はそう言って首を傾げる。康平は会場の様子を見て答えた
康平
いや、もうオープニングは終わって、ゲームが始まってますよ。それと、非常事態なら俺達警備員に声をかけるはず。それがないってことは大丈夫ですよ
康平は結を見ずに言った。その様子に疑問に思った結は康平の視線の先を見る
結は気づいた。康平は乗客を見ていること。そして、
結の様子に気づき呼び止めたこと
結
警備員さんはちゃんと仕事をしていたんですね。サボる為に私を呼び止めたのだと思いました
結は康平の気遣いに気づき、笑みがこぼれた
康平
失礼だな!ちゃんと仕事してますー…やっと笑ったな
康平は結の顔を見てポツリと呟いた
結
警備員さん?何か言いました?聞こえなかった…
康平
何でもございません
康平も笑みがこぼれた