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コメント
1件
ストーリー考えるの上手すぎん…? リオンの物語が天才的すぎてもう怖くなってきたんやけど、、、 一言じゃ表しきれんけどとりま神✨
体調不良×闇深話
らん
すち
ご本人様関係なし❌
AM 4:00
らん
全然寝れなかった…
夜中にいきなり息苦しくなって、体が異常に暑く感じた。
恐らくこれは風邪だろう…
らん
スマホ手元にないから、少し遠い部屋にいるすちにこの状況を伝えるのは難しい。
しかも、今日すち休みの日じゃん……
多分、お昼ぐらいまで起きないんだろうな…泣
すちは休みの日はとことん寝て、1週間の疲れをこの日にとる。
らん
すちが気づいてくれるまでこのままかぁ~…ッきついなぁ~ッ
PM 14:00
すち
すち
すち
すち
あれ…?今日はらんらん起こしに来なかったなぁ…?
いつもだったら、俺が休みの日でもお昼前には起こしに来てくれるんだけどなぁ…
すち
すち
まだらんらんは高校生なんだから、友達と朝から遊びに行きたいよね。
すち
なんか、かなしいなぁ~…
PM 14:30
らん
え、俺このまま放置されんの??
すち全く俺の部屋に来てくれないじゃん…ッ
らん
だんだん、頭痛もひどくなってきたし…寒い…ッ
らん
マジで俺このままなんかよ…ッすちぃぃ…泣 たすけてくれよぉぉ…
ガチャッ__(扉
すち
俺の心はもう壊れそうです。 せっかくの休みなのにらんらんを朝から見れてないぃぃ~…泣
すち
らん
頭痛いし、寒いし、声も出ない……
らん
なんで、こいう言う日に限ってリビングに置いてきたんだよ…ッ
らん
起き上がるだけで、目眩おこるんだけど…ッやばいって…ッ
らん
ちゃんと立たないと…ッ
らん
トコ…ッ…トコッ……(歩く
カタツムリぐらいゆっくりだけどどうにか動けてよかった……
トコ…ッ…ットコッ……
らん
動いたことによって熱がより上がったらしい。とても暑く視線もぼーっとしてしまう……
らん
らん
らん
やばっ…ッ足踏み外したッ…
ガタンッ、バンッ、ドコンッドンッ___.
ジーッ……
すち
すち
らんらんには中学3年の時に俺がスマホを買い与えた。
勉強頑張るから!…って言われたから買ってあげたのに今では友達と遊ぶかスマホに話しかけるところ以外見たことがない。
すち
すち
すち
らんらんに嫌われることはごめんだ。
すち
ガタンッ、バンッ、ドコンッドンッ___.
すち
今はこの家に俺一人のはず……だよ、ね…ッ?
〈 い”ったぁ…泣
すち
らん
階段から落ちたんだけど…ッさいあく…ッ
ガチャッ_
すち
らん
すち、起きてるじゃん…ッ泣
すち
らん
この状況を見て逆に階段から落ちた以外考えられないでしょ…泣
すち
らん
すち
らん
すち
…連れてって…?(思考停止
すち
今、らんらんの口から「連れてって」って言った…??
…可愛すぎだって…泣(親バカ
すち
らん
すち
らん
すち
確かに俺が怒ってたら言いずらかったよなぁ……
らん
すち
どうせ、らんらんは知らなくていい話なんだからね…
すち
らん
あの後、どこからかすちが消毒液となんかポンポンする布みたいなのを持ってきて傷の手当をしてくれた。
すち
らん
らん
すち
すち黙っちゃった…怖いって…
すち
らん
すち
すち
すち
らん
すごく仕事が早い…これがスパダリってやつなんだろうな…
らん
すち
らん
すち
らん
すち
誰にこんな性格似たんだろうね…笑
お粥完食後
らん
すち
また寝るのかぁ…まだ眠くないんだけど……
らん
らん
すち
すち
らん
風邪の時って誰かに甘えたくなるってホントなんだな…
すち
らん
すち
俺すちになんか驚かすことしたっけ…?記憶にないんだけど……
すち
らん
こんなことで喜ぶ俺結構子供っぽいな…笑
まぁ、でも……
親もいない俺にとって甘える対象はすちしか居ないしね…?
らん
すち
暖かいなぁ…
らんらんもいつの間にか大きくなっちゃったし…流石黄桜家の子だよ…
すち
この子だけは命に変えても守るよ…ッみこちゃん。
数年前
すち
みこと
すち
最初はこの家はみこちゃんと俺で住んでた。
だけど、ある日いつも以上にみこちゃんの顔が赤かった日があった。
すち
みこと
すち
流石にみこちゃんももう子供ではない。だからみこちゃんを信じて大丈夫だと思った。
だけど、その状況が1ヶ月以上続いた。
みこと
すち
みこと
すち
みこと
さすがに限界だった。 1日が終わる度みこちゃんの顔色も悪くなって、食事も俺の前では絶対に取らなかった。
すち
みこと
すち
すち
みこと
すち
今のみこちゃんには何を聞いても答えてくれない。
だけど、放置しておく訳にもいかなかった。
みことの部屋
すち
みこちゃんが珍しく出かけたこの1日だけがチャンス。
みこちゃんは何かを隠すならここしかない。
すち
…こんなことしなければ良かった。
すち
すち
本当にただの風邪だったのかな…
いくらみこちゃんの部屋を漁っても怪しいものは出てこなかった。
…だけど、みこちゃんの部屋漁りに夢中になってたから俺は数十件の不在着信に気が付かなかった。
すち
すち
プルルル、プルルル…ガチャッ
すち
『……すちさんでしょうか?』
すち
みこちゃんの電話にかけたはずなのに、スマホから聞こえた音は中年の女性の声だった。
『私は通りすがりの女です…ッ』
『…だけど、お話を聞いて欲しくて……ッ』
『…10分くらい前、みことさんが車に轢かれてしまって…ッ』
すち
俺がおかしいんだろうか。さっき女性が言った言葉が頭に入ってこない。
『……さっきッ息を引き取りました…ッ』
すち
何を言っているんだろうかッみこちゃんは昨日も俺の隣にいた…ッ
今日の朝だって…ッ少し出掛けてくるって…ッ
『…𓏸𓏸病院にみことさんは居ます…ッ』
すち
何も耳に入ってこなかった。 一生懸命この人も話してくれてるはずなのに、俺はもう考えることも諦めていた。
『……切りますねッ?』
すち
ブチッ___.
すち
怖かった。 俺の前から何かが消えるのが。 俺の中で何かを見失うことが。
トコ………ットコッ…
すち
静かで暗い廊下。
みこちゃんは、俺が予想してた通り病気だった。
家へ帰ってくる途中みこちゃんも意識朦朧としてたらしい。その瞬間車が横からいきなり飛び出してきた。
みこちゃんも意識朦朧としてたから、すぐに対処することが出来なかったと聞いた。
……守りたかった。
俺が生きてきて初めての、守りたいと思った人だった。
そんな人が俺の知らないうちに、この世から居なくなってた。
すち
みこちゃんには、親もいなかった。 俺じゃなくてもッ誰かに頼る事をしてたのかな…ッみこちゃんは…ッ?
大切な人が居なくなって1週間。 そんな自暴自棄になっていた時、俺はらんらんの存在を知った。
すち
小さな頃からみこちゃんが付けていた日記。日記の端は折れていたり、黒いペンで書いて擦ってしまったような跡も沢山あった。
1ページずつ丁寧に捲っていくと、みこちゃんは自分の弟について書いていた。
『弟のらんらんは、今元気かな…?』
『あの時、らんらんだけでも逃げれてくれてよかった。あのままだったら、らんらんも俺みたいになってたかも。でも、俺にはすちくんもいる。』
『あとは、らんらんが元気だったらいいな。』
すち
『早くらんらんに会って、お話したいなぁ~って、まだらんらんお話もできないんだもんね…』
『早く安全な場所にらんらんを移動させないと!』
すち
名前さえ分かれば、誰かを突き止めるのは簡単だ。 みこちゃんの苗字は「黄桜」
なら、恐らく弟は「黄桜 らん」辺りの名前で当たりだろう。
すち
日記の最終ページから近いところにに安全な場所に移動させないと、と書いてあるから、恐らくみこちゃんの弟は安全ではない場所にいる。
すち
すち
ここは、他の街などと比べて比較的安全地帯だが1つ、人通りが少なくて安全とはいいきれない場所がある。
すち
2年前ぐらいに火事によって廃工場となってから誰も近づかなくなった。
廃工場になってからもたまに、幼い子の泣き声が聞こえると噂もあった。
みこちゃんが居なくなってから1週間は立っている。もしそこに弟くんが居るならその子は何か食べられていたんだろうか、寝れていたんだろうか……
すち
トコ…ットコ……ッ
すち
床は黒く焦げた何かがそこら中に広がっていて、お世辞にも綺麗とは言えないほどだった。
〈…ぁ…ッぅ…ッ!
すち
さっきまでは自分の足音しか聞こえなかったが、微かに自分よりも高い声で短い言葉を話している声がきこえた。
すち
〈やぁッや!…うぁぇ…ッ
すち
タッタッ…ッタッタッ…__
シャァァァッ!(猫
すち
らん
走って角を曲がったすぐ近くの部屋で、小さな子が猫に向かって涙目になりながら怒っていた
らん
らん
すち
らん
俺が猫を捕まえた瞬間、らんらんと思われる子供は目を丸にして驚いていた。
すち
らん
想像してたよりかは、痩せ細っておらず普通に元気そうだった。
すち
らん
「みぃこ」と呼ばれてる人と勘違いされているのだろう。そうでなければ俺を見て目を輝かしている訳がか分からない。
すち
らん
すち
見た目は5歳児くらいだろうか。その割には穏やかで静かな性格だ。
すち
らん
すち
すち
らん
すち
らん
すち
らん
さっきまで座ってて、低い姿勢でしかものを見れてなかったのにいきなり175cmのやつに持ち上げられたらビビるよね。
すち
らん
ガチャッ__.
らん
すち
廃工場は歩いて、20分位の場所にあるから行こうと思えば走って5分もしない。
すち
やっぱり、兄弟なんだろうな…
寝ている顔も猫を怖がってる時の顔も、全てがみこちゃんの面影があった。
すち
すち
育児も、一人暮らしもしたことがなかった。
だけど、愛人をなくした今、らんらんを連れて実家に帰る事も出来る。
すち
みこちゃんと俺で過ごしてきた、唯一の誰にも邪魔されない場所。
すち
らん
すち
いつでも、らんらんに逢いに来ていいよ…ッ?
俺は死んでも諦めないッ みこちゃんと、らんらんを育てるんだッ
愛人を失って1週間。 愛人の弟と生きていくことを決意した。
俺には兄弟もいない。だから、子育ての手伝いもしたことが無い。
だから、らんらんがみこちゃんのように病気で死んでしまうことが怖かった。
すち
らん
すち
らん
俺がらんらんの役に立ててるなら、なんだっていい。俺の近くにある宝物はらんらんなんだから。
みこと
すち
らん
らんらんの後ろに、みこちゃんが見えた気がした。
幻覚だろうか…だけど、とても嬉しい。
今までみこちゃんも隣でらんらんのことを見ていてくれたのかな…ッ?
すち
らん
唯一の宝物