どんなに暗い夜だって

広い森の中にぽつんと1人。

傍には誰もいない。

なんて大げさなことを 考えてしまう、今日この頃。

私のターゲットは1番。

気になっている受験者の1人だ。

正直、彼と73番,5番は まだ目的も同行も性格も 何かもわからない。

なので彼を直接捜すより、 一緒に居ることの多いヒソカを 捜すのがいいだろう。

そしてそのヒソカはもう 受験者狩りを始めているはず。

考えながら足を進めていると、 近くから聞き覚えの無い音が することに気づいた。

振り返って呼びかけても 当然、返事は無い。

もう一度呼びかけると、 今度はその呼びかけに応じる人物が 木々の中から出てきた。

私が尋ねると、 少しやれやれという感じで 肩をすくめた。

“あのキツネグマを 操作してたの 俺なんだ♡“

そう、“キツネグマ“と言ったら あの時しかない…！

彼がそう答えた瞬間、 全身に寒気が押し寄せてきた。

これがストーカー…!!

初めての経験だったので、 どうすればいいかわからなかった。

褒められたら別に 悪い気はしないな…

そしてサヤトは私を 後ろの木の方に追いやると、 そのまま壁ドンしてきた。

サヤトは私の腕を掴んで 地面に倒す。

そう言って私のお腹の上に 手を這わせ、ズボンを 下ろそうとしてくる。

このままコイツになされるままか…

そう思った時、 見覚えのあるトランプが 奴の頬を切った。

ﾋｭﾝｯ!!

私がトランプが 飛んできた方を向くと、 確かにそこには ヒソカが立っていた。

そう言って、少し不服そうに 何処かへ歩いていった。

でもそれだけでは無い気がした。

他の目的…なんだろう?

わざわざ「君のターゲットって僕かい♧」とは訊きに来ないよな…

私はその問いかけに対して、 ずっと気になっていたことを尋ねた。

焦らされると無駄に緊張する…!!

”死んでないよ”

やっぱりヒソカは一途というより、 とても執着心の強い奴だ…