わたしのアール
和田たけあき(くらげP)
わたし、屋上で
靴を脱ぎかけた時に
三つ編みの先客に
声をかけてしまった
わたし
わたし
口をついてでただけ
ホントはどうでも良かった
先を越されるのが
なんとなく、癪だった
三つ編みの子は語る
どっかで聞いたようなこと
三つ編みの子
三つ編みの子
ふざけんな
そんなことくらいで
わたしの先を越そうだなんて!
欲しいものが手に入らないなんて
奪われたことすらないくせに!
三つ編みの子
って
三つ編みの子はきえてった
さぁ今日こそはと靴を
脱ぎかけたらそこに
背の低い女の子
また声をかけてしまった
背の低い子は語る
クラスでの孤独を
背の低い女の子
背の低い女の子
って
ふざけんな
そんなことくらいで
わたしの先を越そうだなんて!
それでも、家では愛されて
温かいご飯もあるんでしょ?
背の低い女の子
と泣いて
背の低い子は消えてった
そうやって何人かに
声をかけて
追い返して
わたし自身の痛みは
誰にも
言えないまま
はじめて見つけたんだ
似たような悩みの子
何人めかに会ったんだ
黄色いカーディガンの子
黄色いカーディガンの子
黄色いカーディガンの子
黄色いカーディガンの子
黄色いカーディガンの子
と言った
口をついて出ただけ
ホントはどうでも良かった
思ってもいないこと
でも声をかけてしまった
わたし
わたし
ああ、どうしよう
この子は止められない
わたしには止める資格がない
それでもここからは消えてよ
君を見ていると
苦しいんだ
黄色いカーディガンの子
って
目を伏せたまま
消えてった
今日こそは誰もいない
わたしひとりだけ
誰にも邪魔されない
邪魔してはくれない
わたし
わたし
わたし
わたし
飛びます
コメント
7件
これ歌なんだ!すごく良い詩。