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勇気のないゴミ
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勇気のないゴミ
どぬく
勇気のないゴミ
莉犬
勇気のないゴミ
どぬく
莉犬
どぬく
莉犬
勇気のないゴミ
莉犬
どぬく
莉犬
勇気のないゴミ
どぬく
莉犬
どぬく
莉犬
どぬく
どぬく
勇気のないゴミ
莉犬
どぬく
莉犬
どぬく
勇気のないゴミ
莉犬
どぬく
勇気のないゴミ
勇気のないゴミ
どぬく
数時間ぶりに発した自分の言葉が、 どこか遠くに聞こえる。
地面から足が離れ、体が後ろに倒れてゆく。
今更思い出したのは、俺が立っていたのは階段の前ってこと。
あぁ、そっか。このまま落ちて死ぬんだ。
どこか他人事のように思いながら、 それでいて、 この地獄のような日々から開放されるかもしれない思うと、
不思議と恐怖は湧いて来なかった。
支えを失った体が宙に浮くのを感じる。
周囲のざわめきや、 さんざん俺を痛めつけていた取り巻きたちの驚いた顔、 必死に伸ばされたゆあんくんの顔。
ゆあん
全てがスローモーションに見えた。
意識がブラックアウトする寸前、 視界に誰かの顔が入る。
その口角が上がるのを確認したと同時に、 どぬくの意識は強烈な痛みとともに失われた。
どぬく
ガバッと跳ねるように体を起こした。
ドクドクと心臓の音がうるさい。
それに耳が詰まったような感覚に加えて耳鳴りが酷い。
ぐらりと回る視界に、どくくの体は再び倒れそうになるが、 後ろに手を付き何とか体を支えた。
どぬく
どぬく
階段から落ちてぶつけたと思われる痛みが体のあちこちにある。
しかし、痛みはあるのに、ただそれだけ。
それも次第に鈍く、薄くなっているようだ。
どぬく
だから、体は綺麗なままだし、痛みも引いていく。
見渡すとどこか森らしき場所にいるようだが、 ここが天国と言うなら納得がいくというものだ。
どぬく
どぬく
だから大声を上げながら起きた。
夢と現実の境が分からなくなって、 自分の体がバラバラに砕け散ったと思ったのだ。
どぬくは手のひらを握っては開き、 自分の体の感覚を確かめる。
どぬく
どぬく
その感覚に「果たして俺は死んだのか?」と疑問が湧いてくるが、 階段からなんの受け身戻らずに落ち、 目が覚めたら全く知らない場所にいたということは、 つまりそういうことなんだろう。
白狐 どぬく(びゃっこ どぬく)は 全寮制の高等学校に通う高校三年生だった。
学力特待生として 高校から外部入学したどぬくは、一、二年と 特に可もなく不可もなく、 普通に友達に恵まれ毎日順調に過ごしていた。
そんなありきたりで、幸せな毎日が壊されたのが三年生の春。
五月も過ぎ、 新しいクラスに徐々に馴染み始めた頃に
1人の転入生がやってきた。
ゆあん
ゆあん
彼は時期外れの転入生ということもあるが、 それ以上にその見た目でクラスの…いや、 全校生徒の注目を浴び始めた。
時期外れの転入生こと赤可愛 ゆあん(あかかわ ゆあん)は 小柄で華奢(きゃしゃ)な体つきと、 日差しを浴びるとキラキラと輝く黒髪の赤メッシュ… そして、透きとおる赤さの瞳を持った美少年であった。
誰もが麗しい姿に目を奪われ、 言葉すら忘れて彼の一拳一動を食い入るように見つめてしまう。
どぬくはそんな彼と同じクラスであり、 さらに言うと、 特待生で一人部屋であったがゆえに、 寮のルームメイトになってしまったのだ。
それからは悪夢が始まった。
天使のようなゆあんは学校の人気者を次々と惚れさせていった。
それも、山奥にある周囲から隔絶(かくぜつ) された空間であるからか、 どぬくの通う学校は少々特殊であった。
容姿の優れた生徒には親衛隊というものが存在したり、 まるでアイドルのように扱われるのだ。
もちろんゆあんにも親衛隊が結成され、 自身に親衛隊がある生徒もゆあんに心を奪われてしまう、 という事態が起きた。
今まで熱心に彼らを崇拝し、 抜けがけ禁止で見守ってきた親衛隊たちは、 彼らの心を奪ったゆあんに敵意を向け始める。
そんな隊員達がどう動くのか。 想像に難くないだろう。
少しずつ親衛隊同士の軽いいざこざが発生し、 ついには大乱闘に発展…(((やば 怪我人が出てしまう。
それにより自分の崇拝する相手から嫌悪の眼差しを向けられ、 それを打破するために再び親衛隊同士がぶつかる…… という悪循環まで起きてしまった。
そんな溜まりに溜まった負の感情がどこに向かうのか。
それはこのフラストレーションのもととなったゆあんと同室で、 たまたま近くにいたどぬくであった。
彼ら、彼女らはなにくれと理由をつけてどぬくを 詰り、暴力を振るって、彼を独立させた。
今まで友達だった人々も巻き込まれたくないと離れていき、 ついにどぬくの周りは誰も居なくなってしまった。
どぬくにとって、ゆあんが自分を信頼し互いに 悩みを打ち明けることが出来る親友だったならば、 どぬくは辛くとも現状を受け入れ苦痛に耐えたことだろう。
だが、ゆあんはその美しい見た目とは違い、 人の迷惑を考えられない人だった。
取り巻きの中には『裏表がなく美しい』と映っていたようだが、 どぬくはそうには見えなかった。
そしてある日。
いつものように無理やり食堂、 それも生徒会役員専用の2階席へと連れていかれた。
その日は忘れ物をしたとかで、 ゆあんはどぬくを一人その場に残し、 どっかへ行ってしまった。
ゆあん
どぬく
残されたどぬくは針の筵(むしろ)
生徒会役員でもある取り巻き達からの 鋭い視線に、息がしづらい。
どぬく
近頃はストレスからか、 あまり眠れなくなっていた。
早く座ってゆっくりしたいのに、 誰にも歓迎されていないこの状況では、 それが出来るわけない。
どぬくは貧血を起こしたようにクラクラする 頭を小さく横に振って、 どうにかその場に立っていた。
どぬく
どぬく
それから、ゆあんが戻って来るまでの間 誰かに足を踏みつけられたり、
(いじめっ子)
どぬく
痣が沢山あるはらをさらにその上から殴られたり、
(いじめっ子)
(いじめっ子)
どぬく
事実無根の話で散々詰られたり、
(いじめっ子)
どぬく
(いじめっ子)
どぬく
その地獄の時間を耐え抜いたら、 やっとゆあんが現れた。
ゆあん
どぬく
ゆあん
彼が戻ってきて救いだと言うことは無い。 取り巻き連中の視線がどぬくからゆあんに移るだけで、 彼らの態度が軟化する訳では無いのだ。
体調の悪さ、
自分がここに居る意味、
生きている意味、
意味が分からなくなった。
そして、どぬくは後退って、 伸ばされたゆあんの手を払って、 バランスを崩して、
視界の端に、最後に見えたのは誰かの笑った顔…
赤可愛 ゆあんのかおだった。
勇気のないゴミ
どぬく
莉犬
ゆあん
莉犬
どぬく
ゆあん
莉犬
Yuan& Donuku
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ゆあん
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どぬく
莉犬
莉犬
勇気のないゴミ
どぬく
莉犬
どぬく
ゆあん
勇気のないゴミ
コメント
5件
えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?ゆあんちゃん!?
ああああ更新されてたあああああ続きが楽しみだぜ!
隔絶(かくぜつ) 隔たり、かけ離れる事。 (針の)筵(むしろ) 態度が穏やかになる事。 悪循環(あくじゅんかん) 互いに影響し合って、 とめどなく悪化する事。