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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 世界観めちゃくちゃファンタジーです⚠️ あとめちゃくちゃ厨二です⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 名無しオリキャラ注意⚠️ 微グロ表現注意⚠️
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__視界が白く染まる。
床も壁も天井も、全てが漂白されたように色を失い、何もかもが“ただ在る”だけの無機質な空間。
そこに、みことはぽつりと佇んでいた。
ここは「原契の間」
契約者たちが、己の契約と、命と、運命と、真正面から対峙する場。
みこと-聖命ノ契
ぽつりと、みことは独り言のように呟いた。
寒いわけじゃない。
ただ、空気が薄い。
心を剥ぎ取られるような感覚が、全身を包み込んでくる。
生きてるのに、自分が透明になっていくような。
みこと-聖命ノ契
薄ぼんやりと現れた光景は、古びた木造の一軒家。
黒ずんだ壁、煤けた柱、焦げた匂い__。
火災の後だ。
家族が焼け落ちたあの夜。
全てが終わった夜。
みこと-聖命ノ契
足元に瓦礫が広がる。
そこに、小さなクマのぬいぐるみが転がっていた。
くたびれたクマのぬいぐるみ。
誰のものだったか、そんなの忘れるはずもない。
__弟の。
いや、“兄の”だった。
みこと-聖命ノ契
その言葉を口にした瞬間、視界が歪んだ。
目の前に少年が現れる。
金髪で毛先だけサーモンピンクで、みことより少し長い前髪。
笑った時の目元が、みことによく似ている。
みこと-聖命ノ契
声を出した瞬間、少年はこちらを見た。
けれど、その顔はどこか違っていた。
焦げた皮膚、焼け爛れた頬。
酸素が奪われたような、か細い視線。
まだ、生きていた兄が、ベッドで寝ていたはずの兄が、焼ける家の中に立っていた。
みことの兄
……責めてるのか。
……悲しんでいるのか。
言葉のトーンすら読めないその問いに、みことは思わず唇を噛んだ。
みこと-聖命ノ契
みこと-聖命ノ契
みこと-聖命ノ契
絞り出した告白。
けれど、目の前の兄は首を横に振った。
みことの兄
兄の声が、以前のように優しく響いた。
みことの兄
みことの兄
みこと-聖命ノ契
みことの兄
みことの兄
みことの兄
__その言葉は、鋭く、冷たく、けれど紛れもない“真実”だった。
あの夜、助けを求める声が聞こえた。
兄の手を引いて、逃げ出すことも出来た。
だけど__その時のみことは、動けなかった。
怖かった。
炎も。
叫びも。
絶望も。
何より、全てを失う未来が__。
みこと-聖命ノ契
みこと-聖命ノ契
みこと-聖命ノ契
だけど、それはただの願い。
どこかで分かっていた。
もう戻らないと。
それでも、自分の存在価値を“誰かの命”に重ねていなければ、生きている理由が見つからなかった。
みこと-聖命ノ契
言いながら、みことはふっと笑った。
みこと-聖命ノ契
みこと-聖命ノ契
静かだった。
視界の奥、焦げた家が燃え上がる。
その中で、兄がぽつりと呟いた。
みことの兄
__その言葉は、決して優しさだけじゃなかった。
諦めと、祈りと、愛しさと、残酷な真実の全てを孕んだ、“別れ”の言葉だった。
家が、音もなく崩れ落ちる。
炎がどんどん大きくなる。
炎の中、兄の姿がゆっくりと溶けていく。
みこと-聖命ノ契
手を伸ばす。
けれど、届かない。
__ただ、最後に。
兄の表情は、微かに笑っていた。
みことの指先が、空を掴んだ瞬間、白い光が視界を満たした。
__気がつけば、みことは原契の間の中心に立っていた。
胸に手を当てる。
まだ、心臓はちゃんと動いている。
兄の命は戻らない。
でも、兄が“背負わせなかった”命を、これからの自分で繋げていけばいい。
みこと-聖命ノ契
ぽつりと呟いて、みことは振り返った。
次の戦いのために。
そして、仲間たちの為に。
そして、何より__自分のために。
第28話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡290
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コメント
2件
あらやだ、シにそうですわ…