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𝐂𝐥𝐚𝐢𝐫
フィクション 本人様とは関係ありません キャラ崩壊/誤字/呼び捨て/一人称僕呼び注意⚠️ 地雷さん↻
すちの心の中
行動や周りの状況
START❗
この家に来てから
僕は自分の居場所を音で判断するようになった。
玄関の鍵が回る音
靴が揃えられる音
誰かの喉が鳴る気配
それらが揃っていれば、 今日も僕は、ここにいていい。
末)すち
返される「おかえり」は重なって溶けて輪郭を失う。 個別の声なのに区別がつかない。 この家ではそれでいい。
時計は夜九時を過ぎている。
火を止めた鍋の底で、味噌汁が静かに冷めていく。
僕は立ってる。 座る理由がまだないから。
早く帰るのは、僕。 最後まで起きているのも、僕。
決めた覚えはない。 ただそうしているうちに誰も何も言わなくなった。
次)らん
背中に落ちた声は責める色をしていない。 らんにぃの声はいつも調整されている。
次)らん
その言葉は正しい。 正しい言葉は選択肢を奪う。
末)すち
口が勝手に動く。 この家で“大丈夫”は合言葉だ。
なつにぃが笑う。 空気が予定通りに軽くなる。
三)なつ
末)すち
放っとかれない。 それはありがたいことのはずだ。
こさにぃは何も言わない。 ただ僕の手を見る。
四)こさめ
問いかけは静かすぎて 返事を用意する前にもう遅い。
末)すち
即答。 考える時間を与えないための速さ。
嘘かどうかは重要じゃない。 問題は誰も確かめないことだ。
椅子に座ると視線が集まる。 心配という形をした監視。
守られている。 そう思うたびに 逃げ道が一つ消える。
息を吸う。 浅い。 吐く前に次の呼吸が来る。
長)いるま
ガチャ
名前が呼ばれた直後玄関が鳴る。
五)みこと
遅れて帰ってくる声。 それだけで空気が微妙に変わる。
みこにぃは僕を見る。 一瞬ためらってから目を逸らす。
末)すち
声は出た。 でもそれ以上の何かは出なかった。
隣に座ったみこにぃは何でもない調子で言う。
五)みこと
末)すち
それだけで会話は終わる。 続けないのは僕だ。
本当は 胸の奥に沈殿しているものがある。 名前をつけたら壊れてしまいそうなものが。
この家はやさしい。 あたたかい。 帰る場所だ。
……だから。
私は今日も何も言わない。 言わないことでしか ここに存在できないから。
"もし私が消えたとしても この家は同じ温度で回り続ける。"
そう思える程度には 私はここに馴染みすぎていた。