真夜中に、響くのはシャーペンを
ノートに走らせる音
僕は、教科書の問題を永遠と解き続ける
H.
どれだけやっても身につく知識はほんの僅かで
血が滲むほどした努力が
報われることはなくて、
それでも、努力し続けるのは
いつかお兄ちゃんに褒めてもらいたいから
でも、僕は本当はずっと
逃げ出したかったのかもしれない
勉強も何もかも放り捨てて
僕は家を飛び出してきた
H.
夜だったこともあって少し肌寒い
目的もなくただぶらぶらと真夜中の街を歩く
お兄ちゃんって言葉に縛られ続けた僕は
少しだけ、真夜中に家を抜け出すという
悪いことをしてみたかったのかもしれない
不意に空に向かって、手を伸ばしてみた
掴めそうで掴めない星
なんとなく寂しい気持ちになる
H.
家から出て全てから解放されたはずなのに
なんでだろう
すごく虚しい気持ちなる
心は相変わらず、空っぽなままみたい。
解放なんて言葉は僕の中に存在しない
永遠にお兄ちゃんという言葉に縛られ続けて
生きていくしかないんだと
夜の街が僕に、そう突きつけてきたみたいだった
H.
ふっと漏れた僕の独り言は、夜の街の喧騒に飲まれて
かき消されてしまった。
リリン.
リリン.
リリン.
𝐧𝐞𝐱𝐭…♡800
コメント
28件
d(^_^o)
ハマる✳︎りん、兄弟パロあまり好きじゃないはずなのに、この作品はほんまに好き¨̮ナレーションみたいのエモすぎる🫶🤍 りんも金曜からテスト…。一緒にテス勉頑張りましょ!!