ピピピピッピピピピッ
部屋に目覚まし時計の音が鳴り響いた どうやらもう起きなければならない時間になってしまったみたいだ
元貴
元貴
僕は学校で虐められている 虐めと言っても暴力とかそういうのじゃなくて無視されたり、顔を見て笑われたり…
地味に傷つく事ばかりだった だから先生にも相談できない
元貴
そんなことを考えている時、リビングの方から声がした
ヒロト
僕の大好きな声だった
元貴
あの人の声を聴いただけで僕は無敵になれる
何も怖くなくなるんだ
その人は優しくて、かっこよくて、僕の憧れの人だった
僕よりも身長が高くて、年齢も僕よりも少しだけ上で…家族でもないのに僕のことを育ててくれる
そんな優しくて暖かい人だった
元貴
ヒロト
ヒロト
元貴
ヒロト
元貴
ヒロト
そう言うと元貴の顔はパァっと明るくなる
可愛い
元貴
ヒロト
そんな会話をしていると2階から足音がした
涼架
元貴
ヒロト
涼架
元貴
涼架
涼架
元貴
そう言いながら2人して僕の顔色を伺ってくる
僕はわざと焦らすように
ヒロト
元貴
ヒロト
ヒロト
そう言うと2人して喜ぶ
可愛くてたまらない この2人は本当は血が繋がってないけれど、僕の自慢の息子たち
ヒロト
僕の細くてか弱い声は興奮している2人の耳に届くはずがなかった