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5歳の少女、通称コップはある施設で育った。その施設には優しい大人がたくさんいて、コップの事を皆可愛がっていた。 大人達は迷彩服を着ていて、各自銃を持っていたが、コップは5歳でまだわからなかった。ただかっこいいなと思っただけで、今日はお絵描きをしていた。絵本に書いてあった青い空がある、見た事のない外の世界を思って。 ある日、何もないがらんとしたコップのお気に入りの場所で、コップが届くような低い机にある銃が置いてあった。 COP.357だ。 弾が込めてあって、気になったコップは、その銃を手に取った。そして、何もわからず重い引き金を小さな手でぐうっと引いた。 どおん!!と大きな発砲音にかなり驚いたコップは銃のリコイル(反動)に耐えきれず、尻餅をついてしまった。しばらく呆然として目を丸くしたままだった。 そして疑問に思った。大人達はこういうものを持って何をしているのかと。 コップは数分間ずっとそのままでいた。 発砲した際の音や、硝煙の香り、強いリコイルで痺れた手、目の前にある弾痕。 我に返ったのは、ドタドタと大人数でかけてくる大人の足音を聞いたからだった。 「コップ!!!」 大人たちは強くドアを開けて、コップの様子を見に来た。 幸いコップは何もない壁に撃ったため怪我はなく、無傷だった。 「コップ、だめだよ、これは危ないものなの。だから触っちゃだめ。」 不思議だった。コップはこの小さい銃を触っちゃだめなのに、大人はこの銃よりも大きい物をいつも肩に掛けてるのに。 「ねえ、なんでみんなはおおきいのを持ってるの?なんで、こっぷはだめなの?」 コップの素直な疑問に大人達は少し目を見開いて顔を合わせた。 「コップが、こういう武器を持たなくてもいいように頑張ってるからだよ」
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