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何でそんな声を出したかって?
そこには、らだ兄と軍の方々がいたからだ。
聞いてないよ…。とは思いつつ、今注目を浴びているのを思い出して。恥ずか死しそうになった。
そこで、レウがすかさず
レウ
とフォローしてくれた。目でありがとう、というとまたニコッとしてきて体育館中が歓声で包まれた。
無邪気なのはいいんやけどなぁ…。
とりあえず耳が潰れたということは覚えている。いつまでも鳴り止まない女子たちの歓声。らだ兄達の前で戸惑う先生。
事態に乗じて、悪ふざけをする男子達。
もはや地獄絵図だった。
まぁ、仕方ないけど。
そして、やっと事態が収まって、らだ兄達の話が始まった。
プレゼンしちゃってもう…ほんとに…。…その為の朝の会議だな?その為に俺を朝あんなに急かしたんだな?
と、そう思うと、らだ兄への怒りが沸々と湧いてきた。ふざけんなよ…。俺の朝ののんびりスローライフを返せ…
とまぁ、最終的には許してまうんやけど。
そして考え事をしていると、らだ兄達の話が終わって、グループを作れと言われた。…軍人含め4人の。
とりあえず らだ兄には、レウ、ひとらん、トントンと組んでもらった。
そして俺はというと…。余り物同士でグループを作り、そこに少し肥えている幹部?のような軍人が入ってきた。
グループではまず軍人に質問したいことを聞く、といったものだった。
…のだが、あまりにもどでかい態度だった。質問すれば、あれをしろこれをしろ。と完全パシリにされていた。
さらに質問した内容を教えてもらえなかったり、手をあげられたり。その時点でさっきからずっと睨んでいたらだ兄が怒った。
そして、俺の周りには、弟たちが大丈夫?と駆け寄ってくれた。大丈夫だよ、と返すと、みんなホッとした様子だった。
らだ兄の方を見ると、もういなくなっていて、外から微かに声が聞こえた。
あ"ー…クソが。ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんな。
俺の弟に手出しやがって。クソが。
俺は今目の前にいる奴に対してものすごくキレている。理由は明白。俺の弟に手を出したからだ。
前から軍の中でも態度はデカかったが、まさか生徒にまで手を出すなんて。しかも俺の弟に。
もう許す余地もない。後ろに、生徒であろう気配があるが関係ない。だから俺は
らっだぁ
といった。ソイツは「は?」といった目をしていた。
それでも無視して帰ろうとすると、俺にソイツは襲いかかってきた。
無駄だと言うことを知らなかったのだろうか。とは思いつつ、容赦なく蹴り飛ばした。
らっだぁ
らっだぁ
と言って俺付きの部下にソイツを国外に出すように命令した。
らだ兄の一連の会話は聞こえていた。どうやらアイツはクビになったみたいだった。
そしてらだ兄は帰ってきてすぐに校長に頭を下げて
らっだぁ
らっだぁ
といった。流石に軍人としての、ましてや総統としてのらだ兄は普段のらだ兄より何倍もきちっとしていた。
結局あの後、校長から別に大丈夫だと言われて、お詫びにまたかなり高いお菓子を持ってくると言っていた。
そして、少しのトラブルがあったが、グループでの交流会が再開された。俺達はらだ兄達のグループに入れてもらうことになった。
どうやら、さっきの幹部には聞けなかったことがたくさんあったらしく、らだ兄は同じグループの他二人に質問攻めにあっていた。
その間、俺達はほんわかしていたが、グループでの交流会はそれだけではなかったのだ。武術を教えてもらうとのことで、皆興奮していた。
そりゃそうか。世界トップの軍だもんな。
でも正直俺は嫌だった。だってめんどくさいし。それに…俺もうちっちゃい頃から教えてもらってるしな。
ということで教えてもらっている間は普通にごく普通にやり続けた。上手いわけでも下手なわけでもない、ごく普通。
普通を演じるのはめんどくさい…が、そうしないとまたもっと面倒なことになりかねないので絶対に普通にやり過ごすのだ。
あれから少し経って今はお昼休憩だ。流石のあいつらも軍人がいるところでいじめはできないわけで、久しぶりにゆったり過ごしていた。
…はずだった。同じグループを言い訳にらだ兄も弟達も俺に構い倒してくるのだ。
ふざけんなよぉ…!俺のゆったりまったり目立たない学校ライフがぁぁぁぁぁ!
そうだ!と、俺は幹部の一人の方をじっと見つめた。はじめは無視していたが途中で無視しきれなくなったらしく、「はぁ…」とため息をついたあとに俺をみんなから剥がしてくれた。
直後、皆は色んな人たちに囲まれて、なんだか少し哀れに見えてくるのだった。
そして、逃げ出した先に誰もいないことを確認して1言
???
と言ってきた。
愁雨
愁雨