注意 ・類えむ(司寧々要素有) ・類→→寧々、えむ→→司表現
大丈夫な方はどうぞ
天馬司
次のショーだが、「ロミオとジュリエット」はどうだ?
草薙寧々
知名度あるし、いいんじゃない?
鳳えむ
うん!とってもいいと思う!
鳳えむ
けど…
天馬司
けど?
鳳えむ
すっごく悲しいお話だから、みんな怖がっちゃうんじゃないかと思って…
天馬司
それなら問題ない!
天馬司
このオレがアレンジを加えてハッピーエンドにしてやろう!
鳳えむ
おおー!!
神代類
ふふっ、楽しみだね
天馬司
配役はどうする?
天馬司
役としてはロミオ、ジュリエット、ロレンス神父、ティパルト、双方の家の人……くらいか?
神代類
司くんがロミオ、寧々がジュリエットでどうだい?
鳳えむ
うん!ピッタリだね!
天馬司
では、そうしようか!寧々も大丈夫だな?
草薙寧々
うん
天馬司
よし、残りの役はどうする?
神代類
僕とえむくんで回そう
神代類
ああ、クライマックスは演出の調整がしたいからロレンス神父はネネロボに頼むよ
天馬司
大丈夫か?
神代類
二人以上出番が被ることが無さそうだからね
神代類
後は台本に起こすとき、出番を調節してくれると助かるよ
天馬司
おう!任せろ!
神代類
ふふっ、頼もしいねぇ
草薙寧々
勝手に話が進んでるけど…えむは大丈夫なの?
鳳えむ
もちろん!
天馬司
では、台本は今週中に仕上げれるようにしておくか
こうして始まった、ワンダーランズ×ショウタイムによる「ロミオとジュリエット」。
僕は悪役になった。
公園
神代類
(なぜ気付けなかったのだろう)
神代類
(今まで考えたこともなかったな、抜け穴だったよ)
神代類
あー……
神代類
(今は何も考えられないや、…)
司くんが寧々に告白した。
「ロミオとジュリエット」の練習中だった。
舞踏会でロミオとジュリエットが出会い、告白するシーン。 司くんセリフが台本と少し違っていたが、アドリブなのかと思って特に指摘しなかった。
だが、だんだん違和感を覚える。 何か僕の知っている人物について語っているように感じた。 そして、その違和感は確信に変わる。
司くんは、片膝をついてこう言った。
「オレに欠かせない、かけがえのない存在だ。寧々、付き合ってくれ」
ああ、まさに王子だ。
僕には、そんなこと――
???
――?
???
――くん?
鳳えむ
類くん?
神代類
!
神代類
ああ、えむくん
神代類
どうしたんだい?
鳳えむ
たまたま通りかかったんだけど…
類くん、何だか元気がなさそうだったから…
類くん、何だか元気がなさそうだったから…
神代類
え?そうかい?
鳳えむ
あたしにはそう見えたんだ
神代類
ふふっ、そうかい
神代類
えむくんはなんでもお見通しだね
鳳えむ
えへへっ!
鳳えむ
あっ…何か悲しいことでもあったの?
神代類
うーん…そうだな…
神代類
少し、おかしなことを言うけれど
鳳えむ
うん
神代類
自分が独占したい訳じゃないけど、誰にも取られたくなかったもの
神代類
それを…取られてしまって
神代類
そんなことなら僕が取っておくんだったなとか…
神代類
頭が…ごちゃごちゃでね
神代類
ふふっ、変だよね。ごめんね
鳳えむ
ううん、大丈夫!
鳳えむ
もしかして、司くんと寧々ちゃんのことだったりする?
神代類
…ふふっ、本当に凄いね
当たりだよ
当たりだよ
神代類
今までもこれからも寧々は僕の幼なじみだけれど
神代類
寧々が成長していって、だんだん交流の輪が広くなって
神代類
…離れていってしまう気がしたんだ
神代類
ましてや司くんの「彼女」になってしまうなんて…ね
鳳えむ
…うん
鳳えむ
あたしも、今までの関係が変わっていくの、ちょっぴり怖い
鳳えむ
司くんと寧々ちゃんが一緒にいるようになって、いつかあんまり話せなくなるのかなって思うと、怖い
鳳えむ
司くんも寧々ちゃんも、優しいからそんなことないと思うんだけど…
鳳えむ
うー、疑っちゃうあたし、やだなぁ…
「取られたくなかった」
でも、もう取り返せない。 僕達の手に戻って来ることは無い。
神代類
えむくん
鳳えむ
なあに?
神代類
きっと僕達は、王子や姫のようにはなれないんだよ
神代類
どう足掻いたって悪役のままなんだ
鳳えむ
……
鳳えむ
そっか…そうだね!
鳳えむ
あははっ、あたしたち、似たもの同士だね!
神代類
ふふっ、そうだね
神代類
(でも…)
鳳えむ
(いつか…)
「誰かと幸せになれる結末はないのかな」