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美波side 全摘手術が無事に終わった次の日。 お腹を切っているためか 痛みが走り続ける。 けど少しでも運動しようと トイレまでの廊下を歩いていると スマホから不協和音が鳴り響く。
美波
看護師
お腹の傷が痛まないように 頭を下げる。 10数年前と同じように 大きな揺れが襲ってくる。 体感だと五分ぐらいは 揺れているような気がした。 揺れが納まって顔を上げると 窓ガラスは割れて 棚や電球など全て外れている。 まるであの時の光景が目の前に広がり 私はその場で動けなかった。
看護師
いつの間にか 恐怖で過呼吸を起こして 看護師さんの合図で 落ち着きを取り戻す。 次にスマホに流れたのは 津波警報の通知と音声だった。 あの時のフラッシュバックで 気を失い欠けるが 医師の方と看護師さんの 誘導で屋上に足を向けた。
中島side 緊急地震速報と津波警報が鳴り響き 楽天の本拠地から高台へ避難する。 周りには小学生や中学生、 お年寄りなど様々な年齢層が 避難をしていて 同期たちも支え合いながら 避難をする。 すると目の前にいた 小学1年歳ぐらいの子が 転けてしまった。
中島
少年
中島
警察や自衛隊の人が 後ろから津波の様子を伝えてくれ もうすぐで俺らの命が危ないと 知らされる。 すぐに男の子をおんぶして 坂を駆け上がる。
少年
中島
少年
男の子は お姉ちゃんが流されたのに なんて強いんだろうって感じる。 もしかしたら美波も そうだったのかもしれない。 なんで俺は彼女の 前回の大震災の大きな傷に 寄り添えなかったんだろうって。
少年
中島
少年
中島
少年
中島
美波が入院している病院は 高台にあるらしい。 津波の心配はないだろうが 地震の影響出る建物の状況は どうなってるか分からない。 そう思いながら 男の子を連れて階段を駆け上がり 街を見下ろすと 津波が辺り一面を襲っていた。
少年
中島
少年
中島
少年
中島
少年
中島
少年
中島
少年
中島
少年
中島
少年
中島
少年
中島
少年
中島
少年
男の子の視線の先には お母さんと思わしき女性が駆け寄ってきた。 その後ろにお父さんが走ってくる。 男の子の両親には本当に感謝され 俺はひとつ頭を下げ 彼女の居場所を突き止めるため 情報を集めることにした。
美波side 屋上から街を見下ろすと 津波がすぐそこまで押し寄せてくる。 元々病院は高台にあるから あまり津波の被害は少ないと 思っていたけど実際はそうではなかった。
美波
少女
美波
小児科で入院している 私が家族をなくした時と 同年代の女の子を抱きしめる もしかしたら津波に飲まれてしまう 恐怖と家族の心配で押しつぶされそうに なっている様子。
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
遠い記憶を思い出すように 腕の中にいる女の子の背中を ゆっくりと摩っていく。
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
少女
美波
ある程度落ち着いてきた 女の子を擦りながら 町一帯を見ると 津波による水は少なくなっていた。 看護師さんの指示で 安全が確認できるまでその場で待機になり 女の子と一緒にその場に座った。