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拡張都市N市

2 - 【月刊クローズシティ】第2号

2020年05月27日

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cure townに住む70代女性

ー 彼にとって私は、長い長い人生の中で出会ったいい暇つぶしだったんじゃないかと思います。

cure townに住む70代女性

でも、私にとって彼は、短い一生の中で出会った、大切な大切な"好きな人"でした。

cure townに住む70代女性

私はキュアタウンのstar blossomというカフェで働いていました。

cure townに住む70代女性

知ってますか?

cure townに住む70代女性

今もあります、

cure townに住む70代女性

屋上から町の夜景が綺麗に見えるんです、

cure townに住む70代女性

そこに、彼は弟みたいな、

cure townに住む70代女性

似てなかったんですけど、

cure townに住む70代女性

そんな2人を連れて入ってきました。

cure townに住む70代女性

初めて会ったあの日から既にわたしは、好きだった。

cure townに住む70代女性

これを一目惚れっていうんだなって思いました。

cure townに住む70代女性

ふふ、今思い出しても、あの瞬間は私が生きてきた中で1番ロマンチック!

cure townに住む70代女性

...でも、その後話したり、付き合えた時のことは、あまり覚えてないんです。

cure townに住む70代女性

ごめんなさい。

cure townに住む70代女性

記憶がフワフワとして、夢の話をしてるみたい。

cure townに住む70代女性

もう50年も前ですからね。

cure townに住む70代女性

ああ、でもしっかりと覚えていることもあります。

cure townに住む70代女性

あの2人が弟じゃなかったこと、

cure townに住む70代女性

でも兄弟みたいな存在で、そんな仲間が彼にはたくさんいること、

cure townに住む70代女性

歌うことが好きってこと、

cure townに住む70代女性

でも、年齢のことや仕事の話、生い立ちの話をすると、曖昧な返事をすること、

cure townに住む70代女性

あと、

そんな話をした時、一瞬強張る表情

cure townに住む70代女性

一年経ってからやっと気づきました。

cure townに住む70代女性

鈍いんです、私笑

cure townに住む70代女性

Nの青年の噂は知ってましたよ。、

cure townに住む70代女性

でも言わなかった、いなくなってほしくないから。エゴです。

cure townに住む70代女性

彼が暇だから一緒にいてくれてたとしても、それでよかった。

cure townに住む70代女性

でも、いつだったかな、あのカフェに呼ばれたんです。

cure townに住む70代女性

その日のこともしっかりと覚えてます。嫌な日のことこそ忘れたいのに笑

女性

私、なんで呼び出されたか当ててあげようか

青年

・・・

女性

すぐにオバサンになっちゃう子なんて嫌よね!

青年

知ってたの?

女性

知ってたこと知ってたでしょ?

青年

なに言ってんだよ

彼は真顔で流した。

女性

貴方よりもっと素敵で一緒に歳とって死んでくれる人探すよ

青年

・・・そか

そういって彼は寂しげに微笑み、帰っていってしまった。

cure townに住む70代女性

会わないまま50年以上経って。

cure townに住む70代女性

彼は今も歌いながら街をブラブラしてるんでしょう。

cure townに住む70代女性

孫と同じくらいの年齢で。

cure townに住む70代女性

変わらないあの子犬顔で。

cure townに住む70代女性

あの時は離れたくないって思ってましたけど、彼の記憶の一部分、ほんの端っこだけでも「私」がいてくれたら、それでいいなって。

cure townに住む70代女性

私にとっての大切な大切な好きな人の永遠の記憶に、永遠に残ってやるんです笑笑

cure townに住む70代女性の語る「N市の青年」

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