最近、長く付き合っていた女と別れた。
向こうから振った。
だけど、ストーカーされている気がする。
話は遡る。
女
もう嫌いになった。
男
なんで急にそんな事を?
女
どうでもいいから。私の事なんか。
もういいから。さよなら。
もういいから。さよなら。
こんな風に向こうからこう言ってきた。
もう嫌いになった。と。
男
呆れた。まぁ、言えば振られて正解だったかも。
なのに、足音が後ろから聞こえるんだが。
あの女じゃないだろうな?
トントントントン…
歩く。歩く。
男
暗い夜。人通りも少ない。
男
危ないから早歩きで行こうか。
トントントントン
後ろから音が聞こえる。
振り向く。
男
誰も居ない。でも明らかに音は聞こえる。
男
まぁいいや。ちょっと走り気味で行こう。
タッタッタッ
男
ここまで来たら大丈夫だろう。
男
だいぶさっきより街灯が増えて来た。
男
もう安心だ。
コソッ
バタッ
男
今はハッキリ聞こえた。
バタッ…と。
バタッ…と。
男
そこに居るんだろ?誰だよ。
分かってんだよ。そこに誰か居るってことは。
分かってんだよ。そこに誰か居るってことは。
そこに人間が居るってことは分かってるから。
なのに何で隠れるんだよ。