※この回から純夏のイラストも変わっております。 月曜日。この日、奈緒樹は珍しく風邪を引いて学校を休んでいた。
小清水奈緒樹
ゲホッゲホッ…熱が引かない……奏ちゃんから風邪がうつったのかな……
小清水純夏
奈緒樹にぃに…大丈夫?
小清水奈緒樹
全然…むしろ今がめっちゃきつい……ていうか純夏……風邪うつるからそろそろ部屋から出てくれる……?
小清水純夏
はぁい…
純夏はとぼとぼと部屋を後にした。
小清水奈緒樹
とりあえず今日は一日中寝てるか……
奈緒樹は静かに眠りに落ちた
学校は放課後になった頃、奈緒樹はずっと寝ていた。その頃、奈緒樹の家に3人の訪問客が来た。
ピンポン
小清水梨亜
はーい。
氷堂明日香
こんにちは。梨亜さん。
小清水梨亜
あら!明日香ちゃんいらっしゃい!と…その2人は?
鈴木奏
初めまして。鈴木奏と申します。
篠村琴葉
その従者の篠村琴葉です。
鈴木奏
なーくんが…じゃなくて小清水くんが風邪を引いて学校を休んでると聞きまして…
小清水梨亜
奈緒樹…良い友達もったね…(泣)
篠村琴葉
小清水様のお部屋はどこでしょうか?
小清水梨亜
2階に上がってすぐのところよ。
鈴木奏
はい。ありがとうございます。行こ。明日香ちゃん、琴葉ちゃん。
篠村琴葉
はい。
氷堂明日香
うん
奏たち一行は奈緒樹の部屋へと向かった。
コンコンコン
小清水奈緒樹
ゲホッゲホッ…は…はいどうぞ…
鈴木奏
なーくん、体調はどう?
篠村琴葉
奈緒樹様…
氷堂明日香
小清水くん…
小清水奈緒樹
朝より熱は引いたんだけどね…ゲホッゲホッ
鈴木奏
台所って貸してもらうことできるかな……
小清水奈緒樹
姉さんに聞いてみてよ……僕に聞かれても分からないよ……
小清水梨亜
台所?いいよいいよ好きに使って!
小清水奈緒樹
姉さん…知らない間に部屋に来たの……?
小清水梨亜
いやーこんなに可愛い子たちが奈緒樹の友達って考えたら……
小清水奈緒樹
いや…とりあえず一旦部屋から出てくれない?
小清水梨亜
わかったわかった。
梨亜は嵐のように部屋に入ってきて、嵐のように去っていった。
小清水梨亜
ほんとにうちの奈緒樹がお世話になってるよ〜。
鈴木奏
あはは…なーくんにはいつも迷惑かけてばっかりで申し訳ないです……
小清水梨亜
奈緒樹の無理が祟ったのかな……
鈴木奏
どうゆうことなんですか?無理…て
小清水梨亜
実は奈緒樹ね…お父さんとお母さんが亡くなってから……バイトしてお金稼いだり…家事を率先してやったり……休まないでずっと動いてたから……
氷堂明日香
私も…小清水くん本人から聞きました…そのこと……
篠村琴葉
奈緒樹様…辛い時は私たちに頼ってもいいと思うのに……
小清水梨亜
あの子、周りには無理していること隠してるから……
鈴木奏
私たちにも…なにか手伝える事はあるかなぁ……
小清水梨亜
奈緒樹ね…実はあんな感じだから友達ができなかったんだよ……全然笑わないし……私からのお願いとしては…今後も奈緒樹とずっと友達でいて欲しいことぐらい……かな
奏達は首を縦に振り、肯定の意を示した。
数分後、奏達は奈緒樹の部屋に作ったおかゆを持っていった。
鈴木奏
おかゆができたから持ってきたよ〜
小清水奈緒樹
あ…ありがとう……ゲホッゲホッ
氷堂明日香
私は塾があるから今日はお暇させてもらうね?
小清水奈緒樹
う、うん…じゃあね氷堂さん……
明日香は部屋を出ていった。
篠村琴葉
奈緒樹様。お身体お拭きしますね。
小清水奈緒樹
あ…あはは……ありがとう……
鈴木奏
なーくん、はい。あーん
小清水奈緒樹
いやこれぐらい自分で食べれるよォ……
鈴木奏
なーくんは病人なんだから…今日は私たちに任せて?
小清水奈緒樹
じゃあ…お言葉に甘えて……
翌日、奈緒樹は奏と琴葉の献身的な看病によって完全に回復したらしい。