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物心つく前から 長い間入院生活を送って
僕が知ったのは 春になると桜が咲いて 冬になると雪が降る事くらい。
僕の側には常に点滴があって
朝になると異常が無いかの確認
そんな僕の日常に変化が訪れたのは 桜の花が咲き始めた頃だった。
週に一度の検査の日
検査室から出てきた僕が廊下を歩いていた時
視界の隅に、 窓から桜の木を見ている 一人の少女が映った
その横顔がとても儚げで 一瞬にして目を奪われた僕
それに気づいた少女
目が合った
少女
少女
霊感のなかった僕が 初めて幽霊を見た瞬間だった―