yukimi
「こんな世界」と嘆く誰かの
◯◯
生きる理由になれるでしょうか
yukimi
これは僕が今君に贈る
◯◯
最初で最後の
愛の言葉だ
yukimi
街も人も歪み出した
yukimi
化け物だと気付いたんだ
◯◯
欲動に巣食った愚かさも
◯◯
全てがこの目に映る
yukimi
シアトリカルに手の上で
◯◯
誰も彼も
踊らされる
yukimi
生まれた意味だって知らぬまま
◯◯
形骸化した夢は錆び付いてしまった
yukimi
「愛を下さい」
◯◯
きっとだれもがそう願った
◯◯
「愛を下さい」
yukimi
そっと震えた手を取って
yukimi
「愛を下さい」
◯◯
心を抉る 醜いくらいに美しい
愛を
◯◯
「こんな世界」と嘆く誰かの
yukimi
生きる理由になれるでしょうか
◯◯
いつか終わると気付いた日から
yukimi
死へと秒を読む
心臓だ
yukimi
ねえ このまま雨に溺れて
◯◯
藍に融けたって構わないから
yukimi
どうか どうかまたあの日のように
◯◯
傘を差し出し
笑ってみせてよ
yukimi
もしも夢が覚めなければ姿を変えずにいられた?
◯◯
解けた指から消える温度
◯◯
血を廻らせるのは
誰の思い出?
yukimi
雨に濡れた廃線
◯◯
煤けた病棟 並んだ送電塔
yukimi
夕暮れのバス停 止まったままの観覧車
◯◯
机に咲く花 君の声も
yukimi
何もかも最初から
無かったみたい
◯◯
死にたい僕は今日も息をして
yukimi
生きたい君は明日を見失って
◯◯
なのに、どうして悲しいのだろう
yukimi
いずれ死するのが
人間だ
◯◯
永遠なんてないけど
yukimi
思い通りの日々じゃないけど
◯◯
脆く弱い糸に繋がれた
yukimi
次の夜明けがまた訪れる
◯◯
どんな世界も君がいるなら
yukimi
生きていたいって思えたんだよ
◯◯
僕の地獄で君はいつでも
yukimi
絶えず鼓動する
心臓だ
◯◯
いつしか、君がくれたように
yukimi
僕も、
誰かの心臓になれたなら