テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
安堵しながら教室に到着すると
翠はすぐさま机に突っ伏した
翠
翠
爆睡フォーム突入である
まだ朝なのに恐るべし早さだ
隣の席同士であるこいつとは
去年の春に出会った
何がきっかけかは覚えていないが
波長が一致したせいか常に行動を共にしている
俺は桃と視線を合わせ
翠を指さしながら小声で提案した
紫
紫
桃
俺は唸る
大丈夫とは答えにくい
自分を棚に上げて言わせてもらえば
翠はまごうなことなき大馬鹿だ
俺が爪なら翠は牙である
それゆえに
説得できる手札は一枚もなかった
仕方がないので
力押しする方向に切り替える
紫
桃
桃
紫
紫
紫
紫
紫
紫
紫
桃は顎に拳をあて
うむむと考え込む
適当にそれっぽい言葉を並べているだけなのだが
押せばなんとかなるかもしれない
桃
紫
紫
紫
いかにも正論っぽく述べると
桃は感心したように目を丸くする
桃
桃
紫
意味はわからないが
それっぽい名言を引用してとどめを刺す
高校一年生の男子など
年上の余裕と知的な雰囲気を醸し出せばイチコロなのだ
桃
桃
だが
桃はきっちりと問いただす
真面目ボーイの探究心を侮っていたようだ
紫
桃
桃
紫
紫
紫
紫
紫
紫