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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ、執事パロ
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9 ふたりきりの放課後、心がほどける音
水曜の放課後。
六奏学園の校舎には、夕焼けがゆっくりと差し込んでいた。
昇降口前を行き交う生徒たちの声は次第に遠のいていき、空はオレンジから薄紅へと色を変えていく。
そんな中、こさめは中庭の片隅、図書室の脇にあるベンチに座っていた。
膝に開いたままの本を見つめながら、彼の視線はどこか宙を彷徨っている。
こさめ
そっとつぶやいた声は、ほんのり不安をにじませていた。
やがて、遅れて足音が近づく。
なつ
低い声に顔を上げると、制服姿のなつが立っていた。
教室では見せない柔らかな目つきと、手に提げた紙袋。
こさめの表情がふわっと緩む。
こさめ
なつ
なつ
こさめ
こさめ
二人がこうしてベンチで話すのは、小学生の頃以来だった。
あの頃は、屋敷の庭でも、こっそりこのくらいの距離で座って、おやつを分け合ったりした。
こさめが遠い記憶に目を細めると、なつがそっと紙袋を差し出してくる。
なつ
なつ
こさめ
袋の中には、小さな焼き菓子が丁寧に包まれていた。
屋敷のキッチンで手作りされたものだ。
こさめ
なつ
その一言に、こさめは少し驚いて、すぐに目を伏せた。
こさめ
なつ
なつ
何気ない言葉の中に、まっすぐな気持ちが込められていた。
こさめはクッキーをひとつ口に運ぶ。
甘くてやさしい味だった。
こさめ
こさめ
なつ
こさめ
じっと見つめると、なつは視線を外し、ベンチの端に座った。
沈黙。
だけど、それは居心地の悪いものではなかった。
こさめ
こさめの声は少しだけ震えていた。
こさめ
なつ
なつはゆっくりと目を伏せたあと、ぽつりと答える。
なつ
なつ
その言葉を聞いた瞬間、こさめの胸にぽつんと何かが落ちた。
安堵、嬉しさ、期待。
それが何の感情なのか、まだ自分でもわからなかったけれど──たしかに心がほどける音がした。
一方その頃、校舎裏の小道では、らんがスマホを片手に立っていた。
誰かを待っている様子だったが、少し苛立ったようにため息をつく。
らん
その背後から、スッと足音が近づく。
いるま
らん
らんは振り返って笑うが、いるまはいつも通り、落ち着いた表情で立っていた。
いるま
らん
らんはスマホをしまい、いるまの隣に並んで歩き出す。
らん
らん
いるま
らん
らん
らんが冗談めかして笑うと、いるまはふと足を止めた。
いるま
いるま
らん
いるま
いるま
その言葉に、らんの心臓がどくりと鳴る。
普段のいるまなら言わないような、強くて真っ直ぐな言葉だった。
らん
いるま
らんは笑って、そのままふたり並んで歩き出す。
ゆるやかな夕暮れの道を、ただの“生徒”として歩けるのは、たぶん今だけだった。
夜。
屋敷では、みことがベッドの上でぬいぐるみを抱えていた。
すちが静かに扉を開ける。
すち
すち
みこと
みこと
すち
微笑むすちの姿に、みことはふとつぶやく。
みこと
すち
みこと
答えを待つ沈黙が、少しだけ長く流れる。
すち
その言葉を聞いた瞬間、みことの胸に何かがひっそりと咲いた。
大きな音も、派手な出来事もない。
でも、確かに“恋”という名の何かが、この日、小さく芽吹いたのだった。
第9話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡100
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